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ひょうたん

ひょうたん

ひょうたん

作家
宇江佐真理
出版社
光文社
発売日
2005-11-19
ISBN
9784334924775
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ひょうたん / 感想・レビュー

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ふじさん

人のいい店主・音松と勝気な女房・お鈴が営む古道具屋「鳳来堂」を舞台にした人情噺。織部の茶碗に関わる騒動から始まり、音松が身投げしようと男を助けたことから始まる人情噺、名刀・そぼろ助広繋がりで綴られる心を温まる話、びいどろ簪繋がりで語られる辛く哀しい結末の話、質屋に奉公する一人息子・長五郎の成長する姿と人生の岐路に関わる顛末が描かれた話、更に幼馴染の飲み仲間との親交と別れの話等、江戸の市井の人々の息遣いが感じられる作品。男・音松の心意気がいいし、それを支える女房のお鈴もいい。

2023/12/11

kazu@十五夜読書会

本書五間堀にある古道具屋・鳳来堂を舞台とする人情市井物時代六連作集。鳳来堂は借金をこさえ店を潰しそうになった音松と、将来を誓った手代に捨てられたお鈴の二人が、縁あって所帯をもち、立て直した古道具屋だった、連日音松の幼馴染の友人が集まりお鈴の料理で酒盛り…ある日、橋から身を投げようとした男を音松が拾ってきた。親方に盾突いて、男は店を飛び出してきたようなのだが…表題作『ひょうたん』・息子長五郎の奉公先の話が『招き猫』。江戸に息づく人情を巧みな筆致で描く、『びいどろ玉簪』の幼い姉弟の人生が切ない。

2013/05/12

さなごん

息子の方を先に読んでしまったので、へえ、こういうおとっつぁんだったんだね。川で溺れさせられたきょうだいの話は悲しい。ひょうたんのはなしは好き。これだと息子はしっかり者のイメージだけどね。出てくるご飯が当たり前のものだけどとても美味しそうなんだよなあ。

2015/12/27

ひらちゃん

「夜鳴きめし屋」を先に読んでおりました。長五郎の親世代のお話で、父親の音松と長五郎はやっぱり似てるかな~と。古道具屋を営む音松とお鈴。音松といつもつるんでいる友人たち。宇江佐さんの描く世界は人情味あふれ、江戸に生きる人々が余韻を残してくれます。びいどろ玉簪の幼い二人にはいたたまれず、今も昔も大人の都合で振り回される子供に泣かされました。

2015/12/04

古道具屋、鳳来堂を営む音松とお鈴夫婦は情が厚く困った人は放っておけない性分。商いは必ずしもうまくいっているとは言えないようで、夫婦ふたりが食べるのに精一杯というのについつい世話を焼いてしまう。どの話もほっこりするけれど、そぼろ助広がいちばんよかったなぁ。

2015/04/29

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