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ひかりをすくう

ひかりをすくう

ひかりをすくう

作家
橋本紡
出版社
光文社
発売日
2006-07-21
ISBN
9784334925086
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ひかりをすくう / 感想・レビュー

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おかむー

楽しかったはずの仕事にココロをすり減らしてバランスを崩した主人公・智子は、仕事をやめて恋人哲ちゃんとともに東京からすこし離れた田舎な町で暮らし始める。『よくできました』。おいしそうなゴハン、ともに暮らすふたりの柔らかいやりとりはいつもの橋本紡らしく、それでいてこれまでの作品よりもどこかビター。譲れないまっすぐさが自分自身を内から傷つけてきた智子が張り詰めた環境から離れ、自分のありかたを見出し始めることがタイトルの「ひかりをすくう」であり、作中作の子猫の物語同様に「これからはじめればいいのよ!」なのだよね

2014/12/08

おくちゃん🍎柳緑花紅

自分で自分を追い詰め身体と心のバランスを崩した智子。頑張っていた仕事を辞め・・・・・ここから始まる。どう生きるかを決めるのは、あなたではなく、世間でもなく、私達です。誰に強制された訳でもない。話し合って決めたことです。私達はちゃんと幸せです。/そしてまたここから始める。私の人生という物語を私達の物語を。哲ちゃんと智子の会話がとても良かった。「〇〇だね」「うん」「〇〇だな」「うん」。

2015/01/15

吉野ヶ里

お休みの話。こんな風に生きたいとは思わなかったけれど、羨ましくはある。哲っちゃん格好良過ぎだろ。橋本紡作品を読むと料理がしたくなりますよね。なんというか日々をやっていくってのは大変なことなんですな。半月のころにはない穏やかな面白さがあって凄いと思います。どの時期の作品にも味があって良い成長の仕方をした作家だなあ、と。あと中学生レベルの英語もぎりぎりの自分にちょっと焦りました。あー、お腹すいた。

2015/06/08

エンリケ

序盤は緩い雰囲気で始まる物語。だが徐々に登場人物達の辛い過去が明らかになる。主人公は至って真面目な女性。会社や顧客の期待に応えようと頑張り過ぎた結果、パニック障害を患ってしまう。今の社会はこんな「できる」人々の頑張りで成り立っている様な気がする。勤勉は美徳だが当の本人が幸福とは限らない。時には立ち止まって休む事も重要。この女性の幸運は側で支えてくれる男性がいた事。物語は穏やかな日常と過去の辛い経験が交互に描かれる。その対比の妙で、生きている事の幸福が染々と伝わって来る。多忙な人にこそ読んで欲しい一冊。

2019/01/09

ぶんこ

CDを河原に投げてしまい、其の後に中学生たちがゴミを拾う事に思い至り、川の中にまで入って回収に行く姿に、この本の本質が現れていると、勝手ですが解釈しました。 何事にも一生懸命で、真面目な智子さんと、それを温かく受け止めて、美味しい料理で癒してくれる哲ちゃん。 ただの怠け者でないからこそ、今の生活(働かない)で堕落せず、寧ろホッコリ出来るのだと思いました。 一生懸命すぎる人達には、こういった時間、空間がご褒美ですね。

2014/05/03

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