狼花 新宿鮫IX
狼花 新宿鮫IX / 感想・レビュー
えみ
仲間とも友情とも違う感情で互いを理解し合っていた…。それは例え生殺与奪を握っていたとしても、最終的にそれに頼らなかった2種類の“けじめ”からも汲み取ることが出来る。悪のけじめと善のけじめ。鮫島の警察人生、そして人生そのものに大きく影響を与えた2人が去った。鮫島を新宿鮫として残していってくれたという点においては感謝すらできる。また一つ傷を作り、敵を作り、鮫島は己の警察魂を貫いていく!こんな警察が日本に居てくれることを願うばかり。シリーズものの醍醐味、登場人物に愛着が湧くという強みを最大限生かした一冊だった。
2022/06/23
aki☆
今作は色々衝撃だった。シリーズ中でも記憶に残る作品になると思う。とうとう宿敵仙田の正体が判明し、追い詰め追いつめられる展開に。そしてもう一人の天敵香田にも変化があり全面対決へと進んでいく。ヤクザは必要悪?犯罪の取り締まりに優先順位はあるのか。鮫島、仙田、香田の三つ巴にヤクザと中国人美女が複雑に絡まり、各々の信念のまま仕事も命も掛けた男達の戦いにのめり込んだ。優秀な頭脳のぶつかり合いだけに結末は残念でならない。一番厄介なのは人の感情ということかな。それでも他に道は無かったのかと思わずにはいられない。
2021/09/20
タナー
大好きなシリーズのひとつだ。この作品からリリースと同時に手に入れ、読んでいる。2年ほど前から、2作めの"毒猿"からシリーズの再読を始めたが、この作品が一番お気に入りかもしれないと改めて実感した。鮫島と同じくキャリアで同期でもある香田がバチバチぶつかり合う場面はたまらない。だいぶ昔の話になるが、NHKでこのシリーズをドラマ化していたときのこと。鮫島を舘ひろし、香田を永島敏行が演じていて、コレはサイコーの配役だななどと思いながら観ていたのを思い出す。現段階では12作まで出ているこのシリーズ、まだまだ....
2024/11/04
Nobu A
大沢在昌の新宿鮫シリーズ2冊目図書館本を読了。前回は「無間人形 新宿鮫Ⅳ」と順番通りでなく、前後するがが、どちらも安定感のある面白さ。今回は主人公の鮫島と元公安で中南米に渡り、麻薬カルテルに関わる活動家と転じ、近年、外国人の故買市場を開発、運営する仙田。鑑識役として活躍する一時は大学進学の為の資金を日本で稼ごうとした中国人。市場を乗っ取り、薬物も扱おうとする暴力団。止まらない外国人犯罪を制御しようと暴力団と密約を結ぼうとする警視官、香田。三つ巴、いや四つ巴の予測不可能な展開を余すところなく見せてくれる。
2016/05/22
ren5000
シリーズ9作目。ついに仙田と決着して香田さんも警察を辞めてしまったのでここからまた新しい展開になるのだろうか?晶の出番がどんどん減っているのが残念なのでシリーズも一段落したことだし晶ちゃんとの活躍が読みたいな。
2013/05/03
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