ペガサスと一角獣薬局
ペガサスと一角獣薬局 / 感想・レビュー
紅はこべ
この作家は系統的に読んでいる訳ではないが、読むと必ずハマる。まず文章が良い。端正。「光る棺の中の白骨」三球照代の地下鉄漫才を連想、といっても、若い人には通じないだろうな。「チェスター街の一日」で語り手が双子の館のトリックを思いつくが、そのトリックは、『悪魔の花嫁』にあったな。
2019/11/25
ペトロトキシン
これシリーズものだったのか……。机上の空論という言葉が頭に浮かんでくる作品に久しぶりに出会った。いや、このトリックはちょっと有り得ないのではないだろうか。
2016/09/01
たみ
タイトルと表紙からぷんぷんと中二病臭さがただよってきて素敵ですもう読むしかありません。短編4作+書下ろしおまけ1作のミステリー。現実ではありえなさそうな、龍、ペガサス、ユニコーンなどが出てくる不思議な事件がアッという間に解決されるのが快感。短編だからか急ぎ足風味なので「あ、そうか!そのことを忘れてた、で、つまりどういうこと?」的な質問をする位置のモブのセリフがあからさまで、おかげで理解しやすいしさくさく進行だけど、なんだろうちょっと笑ってしまう。こういうのを様式美というのかもしれないなぁ。
2015/07/29
鐵太郎
現代のヨーロッパを舞台にした、連作のミステリです。主人公となる探偵役は、南美希風(みなみ・みきかぜ)という青年。このミステリ短編集は、美希風が出会ったさまざまな奇譚です。幻想的、という感じの世界が展開しますが主人公は、あるいは作家は、現実という土台から一ミリも浮上せず現実の事件を追います。英国を舞台にした話が多いし奇譚の解明が主なのですから、一つぐらい解けない謎があってもよかったのに。なじみにくいテーマの本ですが、わりと面白かった。
2011/02/10
いたしゃん
これはまさに謎の玉手箱や!と叫びたくなるほど魅力的な謎がてんこ盛り。本作ではペガサスやユニコーンが出てきますが、ただのでっち上げや思い込みに留まらず、実物がカメラに収められてしまうところがもう普通じゃない。(このユニコーンの正体がまた凄い)。ベストは「光る棺の中の白骨」。ありえない密室殺人状況と、一歩間違えればバカミスとなってしまいそうな驚愕のトリックが調和した、まさに傑作です。
2012/09/15
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