カンランシャ
カンランシャ / 感想・レビュー
おしゃべりメガネ
2組の夫婦が繰り広げる恋愛不倫話です。テーマはかなりシリアスでダークなのに、どういうワケか芥川賞作家伊藤さんの手にかかるとサラサラと読めてしまいます。ただ平坦としているワケではなく、所々胸をギュッとつかまれるような切なくなる場面もありますが、話の軸は「恋は盲目」的な流れで突き進んでいきます。誰が正しくて、誰が誤りなのか、そういう判断や目線で本作はきっと読み進めてはならない類の作品なのかもしれません。ある意味、純粋に人を好きになるコト、自分のキモチに正直、素直になることがストレートに書かれている気がします。
2016/01/30
mint☆
夫直樹の不倫に気づいているいづみ。いづみも夫の後輩隆一と不倫。それぞれ3人の視点から描かれる物語。夫が、妻が浮気してるから自分も。だって自分が可哀想。お互い様なら許せるし。自分はやめたいけど相手が別れてくれないし。3人それぞれの言い訳で相手に強く惹かれているのとは少し違う。不倫は苦しいものだとわかったはずなのにやめられない。流される。一応本気にはなっているんだろうけど今だけ楽しいだけでは?ラストはなんとなく前向きになったけれどこの先誰も幸せにはならないだろうなという予感。
2020/04/15
taiko
夫直樹の不倫を知りながら、夫の帰りを待つ妻いづみ。彼女自身も、いつか夫の後輩隆一に恋するようになる。それぞれの視点からのストーリーが章ごとに変わるため、各々の気持ちが手に取るようにわかり、とても読みやすかった。仕方なかったのかなと思いつつ、不倫を「恋」としてしまう事には、少々抵抗があります。気持ちが離れていく、好きが盛り上がっていく、最後は収まるところに収まった感じでしたが、やっぱり、何となく納得いかなくて…。小説ですから、楽しみましたが。いずみは、妊娠を隆一に告げてないようだけど、大丈夫なのかな?
2016/03/02
チアモン
不倫と浮気はどう違うのか?2つの夫婦がそれぞれ不倫をしてラストはキレイにまとまった。こういう事ってありえるの?伊藤たかみさんの作品は好きだけれども、この放しはあまり好きにはなれなかった。不倫はどうかと思うけれど、いつまでも恋はしていたいと思う私はダメかなぁ。
2019/06/16
モルク
夫直樹の不倫を知りながら、いつしか自分も夫の元部下隆一との愛に溺れていくいずみ。3人それぞれの思い、言い訳?が語られる。離婚に向かっていくなか、直樹が病に倒れる。死んでくれればいいけど、もしこのまま…という複雑な思いに葛藤するそれぞれ。不倫の話なのだが不思議とドロドロではない。こんなのものなのかな。でも、このまま直ぐ離婚して隆一と再婚しても、お腹の子は300日ルールで直樹の子ということになるの?
2017/09/13
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