誰にも書ける一冊の本 (テーマ競作小説「死様」)
誰にも書ける一冊の本 (テーマ競作小説「死様」) / 感想・レビュー
takaC
あえて言うと文字が大きくて読みにくかった。テーマ「死様」の競作小説六作の中の一作だったとは読後に知った。(1ページ目に書かれていたけど見なかったので)
2015/04/08
ぶんこ
父親の最期を看取る為に帰郷した、小さな広告制作会社の経営者である私。 小さな文学賞を受賞した事もあったが、父親も小説を書いていたと知る。最期を迎えるまでの数日と、告別式までの間に読み進めると、自分の知らない父の姿があった。ここではじめて表題の意味に気付きました。不特定多数の読者を喜ばせる事は出来なくても、親しかった人々にとっては貴重な財産となる原稿もあるのだと。いっとき、エンディング・ノートを書き始めた事がありましたが、自らの一生を書く所で躓きました。自分の事でも、文章にするのは難しかった。
2015/08/01
うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同)
小さな広告制作会社を経営している私は、入院している父親が急変したと母親から連絡を受け、急遽故郷へ帰省しましたが・・。父が書き残した原稿を通じて父の若かりし頃のことを知った主人公。原稿に書かれていたことがどこまで本当の事なのかは分かりませんが、それでも彼が想像していたものとは全然違ったのだろうと思います。それにしても男の人同士って不思議だなと思いました。同じ親子関係を描いたとしても、母親と娘とを描いたものと、父親と息子を描いたものとでは違うように思います。★★★
2012/11/22
Gemi
荻原さんのテーマ競作小説。そのテーマが「死様」。なかなか重い内容なのか…。このタイトル通り、人は自分の人生をドラマティックに少し装飾して綴っていけば、誰しもが1冊の本を書くことが出来るだろう。物語は父親が書き遺した自伝小説そのままに進んでいく。父親の口癖や生き方、主人公である自分には平凡に生きてきたにすぎない父親の想いとは。文字が大きく、ページ数も少ないがなかなか心打たれる物語だった。最後のページが凛として、それまでの全てを纏めてくれる感じが好きだった。「最期のあり方を考えると、今の生き方が見えてくる」
2017/05/08
Take@磨穿鉄靴
荻原氏。字が大きい。ページ数も150程度。最後はゾクゾクした。書いた時には生から死へ続く道を生の側から見て書いていたけど(当たり前のことだけど)これを読んでいた時には既にお父さんは死の向こう側から原稿を通して息子である主人公に語りかけている。過ぎてしまえばあっという間。変わらないものは無い。諸行無常。何故このタイトルなのかは不明だった。コピーライターならもっと他にタイトルにふさわしい言葉があるような気がした。父から息子への話だけど私から80歳を越える父にこの本をプレゼントしてみたくなった。★★★☆☆
2023/03/28
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