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ひやかし

ひやかし

ひやかし

作家
中島要
出版社
光文社
発売日
2011-06-18
ISBN
9784334927660
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ひやかし / 感想・レビュー

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ミカママ

【遊郭部課題】幕末の吉原を生き抜いたおんなたちの物語。惚れたオトコを信じて、ときには大見得をきり、手管を使い、またあるときには手放したわが子を思ってむせび泣く。そんなおんなたちを、思わず抱きしめてあげたくなるような短編集。

2016/11/26

モルク

吉原の花魁、その世界で生きる人を描く5話の短編集。親兄弟のため、子供のため、御家のため、それぞれの事情で身売りされ泣く泣く吉原で生きざるをえない女たち。身体を売って働けるのはせいぜい27才まで、年季があけてもその先にあるものは…。そしてなんと強い女たち。時には見栄を切り、裏切りを知りながらも愛する男のためにつくす。ここしか生きる道のない女たちの何て悲しいことか。それでも最終話「夜明け」の最後の一行にほろり、そして光明を見る。

2024/02/03

ann

表題作「素見(ひやかし)」、、最後の1ページ、おなつの気概を感じながら、おなつの代わりに泣いた。最終話「夜明け」、、上野のお山を思い出しながら、時代の反転期、散った若武者、生き残った若者、遊女しの梅の、それぞれの尊い人生の価値を反芻してみたりする。動乱の世こそ、その正解はない。

2016/11/12

ネムコ

江戸時代は吉原のお話を集めた短編集。家や家族のために女が体を売る。知識として知ってはいたけど、この本に収められたお話は皆リアルだった。一口に悲惨、というのとも違う。血の通った苦しみというか。一人息子のために体を売ったけれど、息子を育ててくれてる兄から、自分の子が病気で苦しんでいるから十両都合してくれと頼まれたり、客が付かなければもっと悪い店に売られてしまう心配があったり。花魁でさえ、自分に付いている禿や新造に着物や簪を買ってやらねばならなかったり。それでも希望のあるお話もあって「色男」「夜明」が良かった。

2014/06/01

のんすけ

【読メ・遊廓部課題図書】吉原を舞台にした短編5篇。元武家の娘が素見客に懸想、花魁の台所事情、遣手の悲しみ、贋作に纏わる元締めの冷酷さ、そして幕末の武士と年季明けを控えた女郎…様々な人間模様が渦巻く吉原を堪能できた。覚悟をもって体を張っていた女性は芯があり、強い。それぞれに出てくる女の悲しみが後を引かず、読みやすく読了。図書館本。

2017/02/15

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