吸血鬼と精神分析
吸血鬼と精神分析 / 感想・レビュー
雪紫
ラルース家を乗り越えたら、前作の事件の精神的ショックに悩まされるナディア(犯人でないとわかってるのにその人物から逃げ続ける悪夢きつかった・・・)。まあ、この状況で◯◯の情報明かされたら、そっち疑うよね・・・はともかく、前半が情報量凄くて、あまり進まないけど、事件がおおいに進展する後半は疲れが酷い時に読んだらいけない。分量もあるのに止まれなくなるし、事件以外の哲学、宗教、事件のモチーフ、大量の情報量で頭がパンクするから。ムーミントロールを巡る謎解きも良かったけど・・・ナディアが早く乗り切れて良かったわ。
2024/05/21
勇波
なんとか読了…。辛くもあり楽しくもある読書でした。難解な哲学理論に挫折しそうになりながらも理解している振りして読んだ(笑)でもコレが自分流の矢吹さんとの接し方です。一応コレでしばし矢吹さんともお別れ。次はいつになるのでしょうか?再読する気は…当分なれません★
2019/07/13
燃えつきた棒
【哲学の書物は、一方では、特別な種類の探偵小説でなけれ ばならず、他方では、サイエンス・フィクションの一種でなければならない。】(ジル・ドゥルーズ『差異と反復』)/ 哲学書は、探偵小説を読むように読まなければならない、とドゥルーズは言っていたが、探偵小説を読むことで哲学することができるのが、笠井潔の「矢吹駆シリーズ」だ。 矢吹駆は、現象学を用いて事件の謎を解き明かす哲学探偵なのだ。 大好きなこのシリーズだが、それにしても、吸血鬼と精神分析と神学で800ページは、どう考えても重すぎる。/
2021/11/27
stobe1904
【矢吹駆シリーズ第六弾】前作から10年以上たっていたが、『煉獄の時』を読むため本作を読むことにした。フロイト派の精神分析と旧約聖書のヨブ記をめぐる哲学的論争は読み応え十分だが、ヴァンピールの連続殺人としてのミステリとしてはちょっと物足りなく、精神分析と連続殺人の関連が弱い印象が残った。とはいえ、観念論的ミステリという特異で稀有なシリーズの大ファンなので、『煉獄の時』をこれからゆっくり、じっくり味わいたい。★★★★★
2023/01/28
藤月はな(灯れ松明の火)
(久しぶりに辛口の感想です)今回の論争はフロイトとラカン。果たしてこの事件に最早、伏線にもなっていない論争はいるのだろうか?せめて冷戦時の各国情勢も絡めるならその描写も詳しくしてほしいと思いました。とあの人物の登場が不気味です。「吸血鬼が外部と内部の境界を崩壊させるもの」というのは妖怪比較の講義で拝聴していたので嬉しくなりましたが・・・・。
2012/03/22
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