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ブラック・アゲート

ブラック・アゲート

ブラック・アゲート

作家
上田早夕里
出版社
光文社
発売日
2012-02-18
ISBN
9784334928063
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ブラック・アゲート / 感想・レビュー

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みっちゃん

人間の体内に卵を産み付け、宿主の体を食い破って羽化する「アゲート蜂」により恐慌をきたした世界。「蜂症」に侵された患者の末期の様子が恐ろしい。物語の展開にも手に汗を握ったが、敵役も含めて厚みのある人物描写で読み応えがあった。人は絶望的な状況でも、正解が見えなくても、誰かが倒れても次の誰かが立ち上がり、前に進み続ける。【華竜の宮】に通じる作者の世界観を感じとれたように思った。

2014/03/24

Yuna Ioki☆

948-151-30 上田早夕里作品初読み。極限状態の人間心理と薬品承認問題に感染症対策と盛りだくさんな内容。スピーディーな展開で飽きずに読ませていただきました。暴走は誰かが食い止めねばならず、必要悪も存在するし、たどり着いた結果が必ずしも救いがあるとも限らない。

2015/04/26

巨峰

人に寄生し人を食い尽くすアゲート蜂。寄生された人間は、人格異常が生じた上に1月で死ぬ。そんな蜂によるパニックが続発する日本。蜂の発生により特殊部隊による封鎖がされた瀬戸内の小さな島で子供を蜂に刺された親が島外の病院へ、子供の逃がすというストーリーで、テーマのわりには、ストーリーはこじんまりした気がする。それから主人公の意識の流れとか物語の流れが人はもっとストレートに考えるんじゃないの?とかやや引っかかりを覚えました。まぁでも、普通レベルの作品だと思います。

2017/08/15

【色々なイロ週間@月イチ】④コロナ禍の日本の状況を思わせる内容。こちらはウイルスではなくアゲート蜂という寄生蜂が原因。P128より「人間は環境を作り替えた。山林や海洋を開発しただけでなく、本来、地表には存在しなかった化学物質を地中から掘り出したり、化学合成で作り出したりした。この作り替えられた環境に適応力した新しい生物が、次々と生存圏を広げていっても何ら不思議はないような気がします。」P240より「国民にとって大切と思える事柄ほど決議は遅く、政府にとって必要な法律であれば、こんなにも早く成立させる。」

2021/03/24

ごま

人の体に卵を産み付け、体内で成長し最終的には体を食い破って成虫として出てくるアゲート蜂。そんな蜂が大量発生した世界でのお話。こういう未曾有の事態が起こったときにどんどん捨て置かれる弱者、機能しなくなる社会、感染を免れても残る脳障害など、メッセージ性の強い内容。蜂対人類の話だと思っていましたが、もっと局地的な、蜂に卵を産みつけられた娘を救うために新薬を求めて離島を脱出する親子の逃走ものでした。終盤がちょっとアッサリ終わりすぎで物足りなかったです。

2013/07/27

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