さようなら、猫
さようなら、猫 / 感想・レビュー
藤枝梅安
タイトルに猫を冠した9つの短編。ほのぼの系と思いきや、気まぐれ、身勝手、優柔不断、疑心暗鬼に責任転嫁。人間の弱い部分やずるい部分が冷徹かつやや距離を置いて描かれている。ぶれないのは猫だけで、周りの人間の都合で環境を変えられる。欲深き人間の愚かな姿を猫たちはこんな風に見ているのかもしれない。すっきりしない読後感だが、それが作者の意図するところならば、読者は素直にそれに従うのみ。
2015/12/01
美登利
まさに荒野さんらしい短編集。猫好きで猫がたくさん出てくる癒やし系の話かな?と期待してる人には肩透かしだと思います。荒野さんが猫を飼っていて、その生態をよく知ってるからこそ、少ししか登場人物に関わらなくても彼女らの人生に猫はスパイスとして必要だった...そんな話。どれもちょっぴり切ない。
2018/09/09
風里
装丁の猫の背中に惹かれて。 猫の話というよりも人の話にスパイスとして猫が登場する短編集。 人も猫も、それぞれ背負っている。
2012/11/09
くりきんとん99
猫が登場する短編集。猫が主役という訳ではない。猫はあくまでも猫として、それぞれの物語の主人公の横を通り過ぎていくという感じ。何とも井上さんらしい短編集。
2012/10/08
あかは
猫と猫に関わる人たちの短編集。なんかどこか重苦しい話が続いて気分が沈むが、悲しいわけではない。猫を題材に関わった人の事情がよく書かれている。特に「自分の猫」は胸が締め付けられる思いがした。
2015/06/10
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