槐(エンジュ)
槐(エンジュ) / 感想・レビュー
海猫
舐めてた相手が実は殺人マシーンでした展開でまず上がって、さらに負け犬の復活劇がきてもう興奮。これで少年少女の成長ドラマ、迫真のアクションシーンとくりゃあもう面白い!というしかない。簡潔な語り口も素晴らしく一気読み。荒唐無稽にも思える内容だが熱量とサービス精神が圧倒してくる。ジュブナイルとハードバイオレンスを上手く混ぜ合わせた感じ。これが平和な世界と凶悪な世界は隣り合わせだ、というテーマを浮き彫りにする効果にもなっていて余韻が残る。所々で文章や台詞にクサみもあるけれど熱気になっているので、まあ良し。
2015/04/14
サム・ミイラ
突然現れた悪い奴らがビルや施設を占拠し人を殺し人質をとり悪行の限りを尽くす。たまたま巻き込まれたいわくつき人物が命を賭けひとり戦いを挑む。私はこれをダイ・ハード形式と勝手に呼んでいますがここにまた新たな傑作が誕生しました。もう一気読みの面白さ。鳥肌が立つほどの興奮と感動を味わえます。同作者のガン・ルージュもこれに比べたら甘い甘い。全ての面でこちらが上。ちなみに悪人達が葬られるところは北斗の拳を思い出します。偉そうな事言いながらヒデブ!アベシ!というあれですね(笑)
2017/07/13
のり
中学の野外活動の夏合宿での惨劇。生徒7人と教師2人。半グレ集団・関帝連合の内輪揉めで隠された金をめぐってのキャンプ場での大虐殺。部長の公一は祖母の事で、関帝連合には恨みをもつ。圧倒的な狂気の前に追い詰められていくが…女性教師(槐)の反撃、作戦で危機を脱していくが…次々と現れる敵。それでも望みを捨てずに前を向く。生徒を守る教頭先生にも痺れた~。月村作品の女教師役はとんでもなく強すぎる。(^o^)
2018/01/24
starbro
今、旬の作家、月村了衛の最新作です。冒頭から中盤まではスピーディーな展開で快調に進んだのですが、途中からやや中弛みで終わってしまった感があります。劇画的ではありますが、エンタメ小説としては十分楽しめる内容です。タイトルが人の名前だと思いませんでした。不二家(カントリーマアムの製造元)の関係者の方は必読です。
2015/05/08
おしゃべりメガネ
月村先生、マジでスゴすぎです!明らかに好みが分かれる作風で、本作はかなりハードなノンストップバイオレンスアクションものですが、自分的には大好きな作風でした。『土漠の花』でこれ以上ないくらい見せつけてくれたスピード感は本作も健在で、たまに「ありえない」とツッコミたくなる部分もありますが、それでも最後まで読む手を止められないのは、やはり月村さんの筆力以外何者でもないのでしょう。タイトルの意味がわかったとき、さらに読む手が止まらなくなり、まるで映画を観ているかのような感覚で、さらに加速して読みきること必至です。
2015/05/03
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