さよならは明日の約束
さよならは明日の約束 / 感想・レビュー
🐾Yoko Omoto🐾
祖母譲りの読書家女子高生エミールと、彼女に仄かな思いを寄せるB級映画マニアのユキサキが、周囲の大人たちの思い出に絡む謎を紐解く、西澤さんお得意の安楽椅子探偵ミステリ。二人の趣味である読書と映画を巧く絡めたストーリーは、いつものブラックテイスト控えめで、高校生に相応しいライトな爽やかさ。マイベストは、唯一ブラック寄りの結末で、大人の嫌らしさを描いた「男は関係なさすぎる」。連作のラストに相応しい伏線回収が何とも見事な「さよならは明日の約束」。観察眼、探究心、好奇心でもって、謎を楽しむ二人が微笑ましい良作。
2019/05/26
ダイ@2019.11.2~一時休止
連作短編集。安楽椅子探偵モノ。パズル韜晦なんかがいいんだけど韜晦なんて漢字見たこと無いしふり仮名なければ読めないよ・・・。
2015/04/09
aquamarine
新刊を読む前にさらっと前作をおさらい…と思いましたが、がっつり時間をかけて一冊堪能していました。高校生二人がチョコレートドーナツをお供に、与えられた情報だけで、こうでしかないだろう、という結論を導き出す。しかも一見関係のないように思える些細な会話が無駄なく伏線であるような作りには驚かされます。好感が持てる主人公たちで読みやすく、とても好きです。続けて「夢の迷い路」を読みましたが、時系列が前後していて、再びこの本に戻って時系列を確認し、幸せな時間を満喫しました。
2019/04/21
みかん🍊
本好き女子高生エミールとジャンク映画フリークユキサキが常連のブックカフェ「BOOK STEERING」でマスター梶本と共に謎を解いていく安楽椅子探偵もの4編の連作短編集、1話はどこかで読んだ事があるような、何かのアンソロジーに入っていたのかな。表題「さよならは明日の約束」が一番好きだった、30年程の過去と繋がっていく謎と現代の人との繋がり読後感のいい作品でした。
2015/05/21
aquamarine
西澤さんの定番、安楽椅子探偵ものの連作短編です。高校生が過去の謎を解くのでお酒の席ではなく食事&ドーナツですが、論理的に推論を積み重ねていくところはとても好きで青春の甘酸っぱさも含めとても楽しく読み進められました。ちょっと顔をしかめたくなる真相のものもありますが、表題作は謎の解答も古い本の行く末も素敵で最終話としてもとても良かったです。表紙絵を含め各話の扉絵もほのぼのしました。また一話ごとに現れる名著も心を揺さぶります。「七十五羽の烏」「9マイルは遠すぎる」「解体諸因」。この機会に再読&積読を崩そう…。
2015/05/16
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