グッバイ、ホワイトホース
グッバイ、ホワイトホース / 感想・レビュー
星落秋風五丈原
望まぬ形で家族を得たレイナと、家族が欲しくて叶わなかったマーガレット。二人は、何かたいそうな事を仕出かそうと考えていたわけじゃない。「覚める事のない悪夢を見る 人生(p224)」を送りたくない。「いつ裏切るかわからない(p9)」とびくびくしながら生きたくない。送りたくない人生」を排除し、護りたいものを選ぶ。それが結果的に「『形だけの家族』故の鎖を断ち切る事につながった。生憎、馬上に抱き上げてくれる王子も、何も言わず抱きしめる母親の手もなかったが、彼女達にはどちらも、もう必要ない。
2005/11/20
ひの
ヤク中の母を持つレイナはホームレス状態の高校生16歳。その高校教師マーガレットは子どもがいないことに悩む。この二人を中心に、麻薬、若者の売春、妊娠、幼児虐待といった現代アメリカの問題を描き出す。最終章はレイナの書く詩(?)「白馬ホワイトホース」
2016/03/27
こうやまゆたか
「ハッピーエンド」のために、ものすごくひたむき、というわけではなかった。自分の判断で「度を越さない程度」にまずいことを愉しんだりもする。それが「まずい結果」を呼ばなかったことを「運がよかった」と言える潔さが好きだ。
2013/05/23
ずっこっこ
とにかく鬱々とした話。レイナの置かれたアメリカのどん底の哀しさと、でも自分も幸せではない孤独な女教師の距離の恐る恐る縮まっていく感じがいい。このまま何事もなく幸せになれるとも思えないけど、そうあってほしいなという読後感が良かった。
2012/07/27
ラブテル
恵まれない家庭に育ち、ちょっとひねくれた女の子と先生のお話し。先生の最後の決断にジーンと涙してしまいました。良かった良かった。
2011/08/20
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