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ランゲルハンス島の午後

ランゲルハンス島の午後

ランゲルハンス島の午後

作家
村上春樹
安西水丸
出版社
光文社
発売日
1986-11-01
ISBN
9784334970475
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ランゲルハンス島の午後 / 感想・レビュー

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キジネコ

水丸さんの絵の影が好きです。思えばハルキさんの文章にも独特の影の気配があります。影が私の中に佇む歪な抽斗をノックします。26の小箱の中に収められた何かがコトコトと共振し静かに頭をもたげます。降り積もる雪の下で生を終えた生き物の頭骨から夢を開放する「ボク」を思い出しました。洗面所の中の悪夢は意外、夏の闇の冷んやりした手触り、女子高生の遅刻を好みの一番に。「1961年の春…」ランゲルハンス島の岸辺に伸ばした指先に触れた春、作家は中学生。先を行く彼らの背中を何時も僕は、眺めて感じた茫漠の影を漸く言葉で楽しむ。 

2016/08/15

akane_beach

1986年発行。「世界の終りと…」と「ノルウェイの森」の間の時期。素敵な相棒水丸さんとの合作エッセイ。見開きを使って水丸さんのシンプルでほのぼのした絵を贅沢に使っている。村上さんは関西人っぽくないけど、こういうのを読むと、随所にボケとツッコミというか、笑える皮肉が込められているし、想像力の豊かさ、感受性の豊かさ、身近に起こること一つ一つの捉え方が面白いなと思う。この本にも出てきた「小確幸(小さくはあるが確固とした幸せ)」は氏の造語だが、台湾で流行ってるらしい。村上春樹苦手な人、こういうの読んでほしいなあ。

2018/02/12

松島

ジャケットが村上作品の中でも1.2を争うくらい好きなんです。安西水丸さんのイラストが村上春樹さんの文章をさらにほぐしてくれる。二人の共作がもう見れないなんてなんだか寂しいね。こんなイラストを部屋に飾りたいなって探してるけどなかなか巡り会えない。いっそ額に入れて本を飾っちゃおうかな。

2018/06/23

さこちゃん

この頃(1980年代)の村上さんのエッセイを読んでいると、子供の頃の夏休みを思い出す。真夏の昼下がり、今ほど車も走ってなくて、みんなが里帰りしたかのように人の気配がなく、ただ蝉が鳴いているだけの住宅街を一人うろうろしている。何かに急かされることもなく、夏空の下、心地よい汗をかきながら。なぜかと訊かれてもわからないけど、そんな懐かしさを感じる文章なのかも。

2017/08/01

sashawakakasu

まずこの本でか!女子高生の遅刻について、トレーナー・シャツ雑感、財布の中の写真、葡萄が好きです。図書館に返す前にもう一度読んでみよう。安西さんの絵との繋がりを探して。

2020/07/15

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