我等なぜキリスト教徒となりし乎
我等なぜキリスト教徒となりし乎 / 感想・レビュー
Inuko
信仰の先輩から薦められた一冊。私にとっても、この先ずっと手元においておきたい本となった。まず、カトリックではなく「キリスト教徒」と言うタイトルが、とても嬉しい。日本人の心情と感性でイエスの教えをとらえなおす必要を説く井上神父。寛容に包み込む母性原理に依る眼差しは日本人にやさしく寄り添う。かくあらねば、正しく導こうという熱心さが、どれだけ人をつまずかせてきたか。イエスが一番嫌ったのは人に石を投げること。人間の悲しみが心に届かない人間は人間として一番大切なものが欠けているというのがイエスの教えの中心。
2022/03/24
Midori Nozawa
安岡章太郎と井上洋治の両氏がキリスト教への思いを語る中ですでに故人となった遠藤周作氏の思い出が絡んで、鼎談のような本。安岡氏の逝去後1年して井上氏も逝去された。遠藤氏のまじめとふまじめの両極の言動も語られ、フランス語の猛烈な勉強や文士仲間を次々クリスチャンに導いた不思議な魅力も語られる。クリスチャンになるなんて思われていなかった安岡氏だが、井上氏から洗礼を授かる。私が20代の頃に愛読した文学者のこと、キリスト教とは人間第一主義でない点でどの宗教とも共通すること。合掌の大切さが一番心に残った。
2020/05/08
ガテン系
遠藤周作を知るならこれ
2014/10/20
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