死ぬ気まんまん
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死ぬ気まんまん / 感想・レビュー
おしゃべりメガネ
ご自身の乳ガン闘病を綴った作者さん最後のエッセイです。タイトルがスゴいですよね。本作を読むと作者さんがホントかどうかは別として、死を恐れず、受け入れてる様子にはひたすら驚きました。闘病の描写はあまり書かれておらず、作者さんの「死」に対する思いをしっかりと書き留めた深い一冊です。代表作『100万回〜』の絵本は知ってましたが『おじさんのかさ』も作者さんの作品だとは知らなかったです。これだけバイタリティー溢れる方ですから、最後の最後までやりたいコトをきっと貫き通したんだろうなと感じます。深い深い一冊でした。
2020/05/08
pino
誰でも死ぬ。その事実を初めて意識した日、すぐにでも消えてしまいそうな恐怖感に苛まれた。長生きしたいと願った。しかし、精神も肉体もボロボロになりながら、命が尽きるまで生きている人を多く見た。新たな恐怖が襲う。私は、ここ数年、精神的にしんどい中、死にざまについて考えた。ぴんぴん、ころりは理想だけど、それが目的になるとつまらない。命の期限を知らされたら受け止めよう。それも自分の逝き方(生き方)だ。「死ぬ気まんまん」とはいかないが。この本をお手本とは思いたくない。途端に佐野さんの生き方が色褪せるようで嫌なのだ。
2012/11/17
どんぐり
佐野洋子は2010年11月、72歳のときに亡くなっている。68歳のときに、乳がんで余命2年の告知を受け、70歳のときに表題作の「死ぬ気まんまん」を書き、これが遺作となった。このエッセイのほかに、68歳のホスピス入所体験、ガンマーナイフ治療を施術した脳神経科医との対談、ノンフィクション作家の関川夏央による追悼文がある。医師との対談で佐野は、「私は闘病記が大嫌いだ。それから、闘うというのが嫌い。『やめろよ、壮絶なんて、さっさと死ねよ』という感じがする」と言っている。だから、これは闘病記ではない。→
2023/05/26
chimako
佐野洋子さんが好きだ。「あるとき、ねこは王さまのねこでした。ねこは王さまなんかきらいでした」そう言い切れる洋子さんに憧れていました。この本を読み終わって「もう佐野洋子という人はこの世にはいないんだなぁ」ととても寂しく思 うとともに何だかすっきりとしたのです。「そのとおり!」と頷きながらあっという間の198ページ。個人的には後10年くらいがいい感じ。ダメ出し大王のお世話もその辺りが限界か。とは言え、人は簡単には死なないらしい。憎まれっ子何とかできっと世に憚ると思われます。その時は適当にヨロシク。
2016/06/10
パフちゃん@かのん変更
ざっくばらんでさばさばしている。これがホントに死を前にした人の書いたエッセイだろうか。すごいです。佐野洋子さん、好きになりました。絵本は理屈っぽくて好きじゃないのもありましたが、このエッセイはいい。『神も仏もありませぬ』も読んでみよう。
2016/02/09
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