迷宮と神話 (KOBUNDO RENAISSANCE)
迷宮と神話 (KOBUNDO RENAISSANCE) / 感想・レビュー
roughfractus02
著者が注目するトリックスターには蛇のイメージがつきまとう(ディオニュソス祭祀の神官、プロメテウスの火のうねり、アスクレピオスと医術の象徴)。コスモス的思考にカオスを持ち込むこの螺旋イメージを、著者は迷宮建築から蝸牛や貝殻を経て、宙に飛んで地を踏み鳴らしつつ螺旋を描く祭祀の舞踏を巡りつつ、さらに抽象レベルへ引き上げる。今回取り上げられるトリックスターはヘルメスである。この商業の神は、二点間の途上である道を棲家とする。その神話は生と死を結び、生の中に死を持ち込んで、カオスとコスモスの間に私たちはあると告げる。
2021/09/01
コマイヌ
序文は……。ラビー=ハイヌヴェレの神話がとても良い。KKの分解と語りは心踊る、その他を全て脇に置きさえすれば。<ギリシャ人にとってヘルメースの姿をとって現れたものは何であったか>、<いかにしてまさにそれがギリシャ人にとって神として出現し得たか>、最高の問うべき問にしてほとんど祈るしかない問よ、ギリシャ神話を問う人の神々への讃歌が好きだ、この文もまたコイノス・ヘルメース!で締められているのだ。
2016/12/29
感想・レビューをもっと見る