世界幻想文学大系 第9巻 魔術師
世界幻想文学大系 第9巻 魔術師 / 感想・レビュー
スターライト
ロンドンの外科医アーサーは、パリのレストラン”黒犬亭”でオリヴァ・ハドゥーという巨漢と出会った。錬金術や魔術に異常な興味を持つのみならず、その力を使うこともできるという。ある日アーサーの婚約者マーガレットの家に呼ばれた彼は、彼女の飼い犬がもとでトラブルになりアーサーに殴られてしまう。それを恨みに思ったハドゥーは、妖しい力を使ってマーガレットを我が物にする。その恐るべき意図とは…。アレイスター・クロウリーをモデルにモームが描いた恐怖譚。マッドサイエンティストを思わせるハドゥーの実験室の描写が不気味でいい。
2020/05/22
Susumu Kobayashi
外科医アーサー・バードンはふとしたことで魔術師を名乗るオリヴァ・ハドゥーの恨みを買い、結婚間近だったマーガレットドーンシイを奪われてしまう。マーガレットはオリヴァの魔力から逃れられず、ついには死に至る。アーサーは怪人物オリヴァにマーガレットの復讐を企て、彼の屋敷に乗り込んで発見したものは……。モームが『人間の絆』の前に書いたスリラー小説。作者のオカルティズム研究が生かされている。
2012/09/24
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