世界幻想文学大系 第28巻 A アルクトゥルスへの旅 上
世界幻想文学大系 第28巻 A アルクトゥルスへの旅 上 / 感想・レビュー
ヴェネツィア
様々な意味で実に奇妙な作品である。基本的には異世界ファンタジーなのだが、そこに幾分かSFの要素が混じり、出発点はオカルトと、なんとも統一感がない。しかも、3人で旅立ったにも関わらず、アルクトゥルスでの冒険行はマスカル唯一人に委ねられる(少なくても上巻では)。また、次から次へと登場する人物(異星人だが)がことごとく、いたって個性的、というよりは端的に奇妙である。そして、物語進行のあり方は、まるでRPGそのもの。ただし、この世界自体は異様な美しさである。今後どのように展開していくのかは全く見当もつかない。
2023/09/13
毒兎真暗ミサ【副長】
クライブ・ルイスに多大なる影響を与えたという本書。その執筆は1980年でSFの走りであり、同時期に人気があった『ET』等に比べると、本書は地層が厚すぎる。モーツァルト『魔笛』が流れるし、冒頭は交霊会。その後夜の街中を男三人が散歩するが、実はこの時もうすでに主人公マスカルは何らかの作用によりトラップしていると推測される。散歩から「アルクトゥルスからの逆光線」により惑星トーマンスへの前触れもない旅立ち。真紅の砂の惑星。異星人の奇妙な秩序。止め処無く優美に翻弄されるマスカルがたどり着く果てとは、はたして。下巻へ
2023/09/18
スターライト
ハンプステッドにあるモンタギュ・フォール邸で行われた降霊会で霊媒が呼び出した霊の首をねじって”殺して”しまった。その男クラーグとナイトスポアに導かれ、北海を望む屋敷に赴きそこでアルクトゥルスへと向かう空雷に乗り込む。3人一緒にアルクトゥルスへと向かったはずのマスカルは、目覚めると自分一人になっていることを発見し、そこで会った女性ジョイウィンドとともに惑星トーマンスをさまよう。そこで出会う人々はマスカルとは違った道徳観を持ち、疑問を抱きながらも旅を続けるが…。リンゼイが遺した幻想文学の金字塔の上巻。
2021/02/19
A・K
出だしはつまらないが、異星へ言ってからはとても面白くなる。
2014/09/18
シロノワール・アカカエ
降霊会で出会った不思議な男に連れられ、水晶でできたロケットに乗って「ファンタスティック・プラネット」世界を旅する。凄まじく面白い。
2015/09/24
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