日本幻想文学集成 4 澁澤龍彦
日本幻想文学集成 4 澁澤龍彦 / 感想・レビュー
藤月はな(灯れ松明の火)
澁澤龍彦氏の作品は何度、読んでも玲瓏な味わいの美酒を含んでいるかのような心地よさがある。それも呑めば呑むほど、酔う所か、脳裏がシンと澄み渡るような。それは美学がありながらも博識をひけらかすなどの淫はせずに理性的な筆致が大きいだろう。「都心ノ病院ニテ幻覚ヲ見タルコト」の麻酔(結構、危険なものだったらしい)を打ってからの実体験は夢か現を彷徨うかのように蠱惑的だ。「護法」の彦七と護法児童の友情も素敵だし、「桃鳩図について」は幻想小説とエッセーが入り混じる構成は読んでいて楽しかった。
2021/12/05
野鹿
長かった、、、後書きにもあったけど、フィクションとエッセイが混ざってるので、読みにくく感じる、、、お腹一杯。
2015/10/19
千葉子
「犬狼都市」が一番好き。前半はエッセイと小説を混ぜた感じの文体だったが、なんだか国語の教科書みたいな感じがしてあまり好きではないかな…後半の「鳥と少女」からが面白かった。話だけでいうなら全て面白かったです。
2012/10/05
iuba
エピクロスの肋骨、犬狼都市がやはりいちばん好きだけれど、その他に収められた話にも引き込まれる部分が多々。なんとなくで知っているような、小話、逸話、言い伝えの類を大まじめに扱って、ひとつの物語として紡がれるのは奇妙な感覚。しかもそれが驚くほど鮮やかに艶やかに、そして硬質な文体でもって為されていたら、これはもう、ツボ、としか言いようがない。登録300冊目にふさわしいかと、読むペースを調整しての読書になりました。このシリーズの他の作家のものも読んでみたい。
2012/10/15
ks3265
素晴らしかった。澁澤龍彦の小説は最近読み始めたばかりで、空飛ぶ大納言は読んでいたが、他は初めて。犬狼都市は題名からは予想できない内容だった。短篇には味がある。別の本にも種本があるらしいが、提示はされていない。澁澤独自の解釈の上に書かれているから、もちろん別の話なっていることだろう。ドラコニア奇譚集を読みたくなりました。最初の「都心ノ病院ニテ幻覚ヲ見タルコト」実際にに経験した話だそうだが、私のには経験がないこと。サド作家だと思っていたら、こんなにも幻想小説がうまかったなんて、この年まで知らずにいて残念
2021/07/12
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