森鴎外 不思議な鏡 (日本幻想文学集成)
森鴎外 不思議な鏡 (日本幻想文学集成) / 感想・レビュー
藤月はな(灯れ松明の火)
再読多し。「蛇」の御新造さんのニヒリズムからの人間に一切の期待を平等に抱かない思考に対し、精神病医師の診察を薦める展開にその一端がある私は衝撃を受けました。そうか、人に期待しすぎて依存してうんざりさせるよりも程よい距離を取って心穏やかにする為の処世術も過ぎれば異常なのか・・・。怪談話かと錯覚させる「百物語」は極めて現実的な終わり方をする。対して「鼠坂」は何食わぬ顔で犠牲にした魂が追いついて復讐したかのようなホラーとも良心の呵責を呼び覚ますミステリーともなれる傑作だ。何故なら語りの滑らかな変化がそれを支える
2022/03/25
てくり
収録作品がバラエティに富んでる。
2009/04/29
感想・レビューをもっと見る