竹原春泉 絵本百物語―桃山人夜話
竹原春泉 絵本百物語―桃山人夜話 / 感想・レビュー
Tanaka9999
1997年発行、国書刊行会の本。前半が現代語訳、後半が解説。京極夏彦が序文のようなものを書いている。現代語訳や解説で妖怪の背景みたいなものがあって面白い。しかし原文って若干説教くさいものだったんですねぇ。
2021/10/16
あなた
ここにおいて妖怪は人間の嫉妬・憎悪・怨恨などの負の感情とタイアップして固定化されることとなった。現実界にいた妖怪は、イメージとテキストが与えられることで象徴界に位置づけられたのである。たとえば、「狐者異(こわい)」。無分別で人をとり喰らい、妄念執着の一途をたどる人間の悪念である。そして、それはできのわるく嫉妬深い卑屈なわたしのことだ。にんげんほどのばけものはなし、と西鶴が嗤っていう
2009/08/24
スズ
前半は絵とともに大まかな内容が書かれていて、後半はもっと細かなことが載っていました。 全て恐ろしい話(妖怪)かと思いましたが、人を助ける妖怪や異類婚姻譚もあり、とても良かったです。 最初に載っている京極夏彦さんの言葉が印象に残っています。 堅苦しい本ではありませんので、少しでも興味のあるかたはぜひ、読んでみてください。
2014/07/10
sigismund
再読。説教に裏打ちされた妖怪たちがひしめきあう。姿の見えない者どもが描き取られて記録され、受け継がれてゆく。「小豆とぎ」などの音の怪もここで姿を得て、水木しげるへと受け継がれている(ここに収められた図版もほとんど水木しげるの妖怪画でおなじみ)。特に「累」「於菊虫」「二口女」のように怨念や因果応報を扱った妖怪も多く、江戸の人々が恐れていたものの一端が垣間見ることができる。
2013/09/09
ヒト
*再読 *たまに読みたくなる。で、これを読むと巷説百物語が読みたくなる。
2011/07/10
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