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ロマン 1 (文学の冒険シリーズ)

ロマン 1 (文学の冒険シリーズ)

ロマン 1 (文学の冒険シリーズ)

作家
ウラジーミル・ソローキン
望月哲男
出版社
国書刊行会
発売日
1998-04-01
ISBN
9784336039583
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ロマン 1 (文学の冒険シリーズ) / 感想・レビュー

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HANA

何とも美しい小説であった。19世紀ロシアの美しい大自然や信仰心溢れる純朴な村人たちが美しい文章で描かれる。そしてそのような中で主人公ロマンは自然と人々と触れ合い、思索を深め、そして恋に落ちる。あまりに素直なロマンの思想や行動、それを真っ直ぐに受け入れてくれる人々、そして出会った運命の女性。読みながらふと遠い昔に忘れてしまっていた、青春の痛みを微かに思い出すような気がした。ああ、世界とはこんなにも美しく輝いていたものだったんだな。……でも読んでる途中、ずっとにやにやした笑いが止まらなかったのは何でだろう?

2015/02/13

syaori

結末を知っていることもあり、楽しめるだろうかと心配していたのですが全く杞憂でした。ロマンとともに体験するクルトイ・ヤール村の生活の何と楽しいこと! 結婚したり、死んだりした人々、またかつての恋の終わりなどが時の移ろいを感じさせますが、3年ぶりに彼の前に現れるのは変わらぬ自然、そして村の暮らし。猟、蒸し風呂、茸狩り、百姓たちに混じっての草刈りと、ツルゲーネフやトルストイの描いた田舎の領主の暮らし、まさにロシア的な暮らしが展開され、その平和で善良で素朴な生活を堪能するばかり。ロマンに新しい恋が訪れて次巻へ。

2018/07/04

Vakira

ロシアのSF作家ということで読んでみた。ソローキンは現代文学モンスターと言われている事でも興味を惹かれた。で、この作品はSFではなく、19世紀後半のロシアの上流階級青年の青春物語。まだ前篇なので、モンスター的奇抜なストーリー展開はなし。恋愛物語あり、ロシアの自然の美しさ、茸とウオッカの食文化、オオカミとのナイフでの対決、自分の愛を証明する為のロシアンルーレット、火事場からの生神女像の救出と普通にドラマティックで面白い。後半の展開が楽しみだ。

2015/03/22

ヘラジカ

「現代文学のモンスター」の異名をとるソローキンの代表的長編。凛々しく聡明な青年と慈愛に溢れた美しき天使のような少女の、平凡にして純粋な恋愛を描く。ロマンチックな邂逅と、恋に落ちる瞬間の劇的な演出はラブロマンスとして申し分ない。上質も上質、特上質な恋愛小説だ。前半は我慢して読むなんて失礼極まりないな。上巻で既に牧歌的な文学の傑作じゃないか!後半の展開は薄々知ってるから、真剣に読むか悩むけど、ここまで来たら止められない。食いしばって下巻へ進むとしよう。ソローキンはこの美しい作品を一体どうするつもりなの…?

2015/02/27

らすかる

読友さんのレビューで気になった本。弁護士を辞めて故郷の村に帰ってきたロマン。イケメンセレブ30代、画家志望という名の無職、だけど家が裕福なので問題なし!第1部はひたすら故郷のロシア片田舎の牧歌的風景と個性豊かで純朴な村人紹介みたいになってる、200pくらい! 第2部はロマンの運命の天使タチヤーナとの出会い。覚悟はしていたけれど長い!でもこの長閑すぎて目が閉じちゃう前編踏まえてからの~~後編を楽しむ?!ためにひたすら耐え読みました。恐る恐る後編へ。:;(∩´﹏`∩);:

2019/03/03

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