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愛 (文学の冒険シリーズ)

愛 (文学の冒険シリーズ)

愛 (文学の冒険シリーズ)

作家
ウラジーミル・ソローキン
亀山郁夫
出版社
国書刊行会
発売日
1999-01-01
ISBN
9784336039606
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愛 (文学の冒険シリーズ) / 感想・レビュー

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HANA

全く先入観や予備知識無しで読み始めたのだが、この本を味わうにはそれが実に効果的だった。最初の話で呆気にとられ(誤植かと思って頁数見直しました)次いでその形式に慣れてくるとそれが笑いに変わっていった。なんというか目の前で世界が反転する感じかな、それを連続で味わった感じ。それにしても一行を読み進めるのに神経使ったのは久しぶりな気がする。あと感想でも触れている人いるけど、やはり思い出すのは筒井康隆。「弔辞」等、彼の「スピーチ」を連想させられたし。首尾一貫している話もあるが、それはそれでとんでもない内容だし…。

2013/12/01

藤月はな(灯れ松明の火)

初めて読んだ、この作者の作品がカニバリズムがテーマとなった『シーズンの終わり』だったのですが纏めて読んでフリーズ。憧れの先生の人糞を食べたり、周りから銃殺される(!)ことで死んだ人の弔辞でインポテツを治すために殺人と肛門性交を薦められたと述べたりなどのグロテスクなシモ関係の話が続くので脳内が理解を拒否しました。特に『特別授業』では「誰かこの変態女教師を子供達から隔離してよっ!!」と泣きそうになりました。ほとんどの話の最後がひらがなでの下ネタの文の羅列で〆るのも、頭を空っぽにしないとこちらが狂いそうでした。

2013/11/19

Vakira

4月になり歓送迎会、春祭り神輿担ぎと飲んだくれの日々。なかなか読書進まず。3月に読んだ「ロマン」が頭から離れず、他の本読んでも上の空で進まず。読みたい気持ちに任せソローキンに変更。理解求めて「愛」を読んでみた。ソローキンは不条理文学、モダニズム、ポスト構造主義、ポストアヴァンギャルド、コンセプトゥアリズム文学の代表者とかいろいろ言われているらしいが、本人は自称文学破壊者と言っている。17編の短編集。これはこれは???グロ、カストロ、スプラッター、ブラックギャグ?モンティ・パイソンか初期の筒井康隆?・・・・

2015/04/16

かわうそ

端正で流麗な文章で描かれる日常的なシーンが何の脈絡もなく狂気や倒錯により一瞬でぶち壊しにされる。異常な行動それ自体というよりはこの落差による衝撃を爆笑しながら楽しんだ。基本やり口は同じなので後半ちょっとしんどかったですけど。

2014/01/06

ヘラジカ

文学的オブジェとは言い得て妙である。なんて言ったって収録されている作品のおよそ半数は物語として体をなしていないのだから。冒頭の『愛』で度肝を抜かれ、目が点になったまま読んだ『別れ』で沸き立つような興奮を感じた。こんな作家もいるのか、と。しかし、その後の『競争』で冷や汗をかき、最後の『記念像』まで読み終えて、これはもう紛れもないモンスターだと嘆息した。そして作者によって放たれた一言「テクスト、テクスト性に関係するものはすべて十分に文学たりえるのです」参った、完敗。いやもう乾杯だ。文学の、芸術の自由さに乾杯。

2015/02/17

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