本格ミステリの現在
本格ミステリの現在 / 感想・レビュー
Tanaka9999
1997年発行、国書刊行会の単行本。13編。十角館から10年、一番「本格ミステリ」論争が激しい時期だったのだろうか。いずれにしても私には文学論は難しすぎる。好き、嫌い、読みたいか読めないか、という判断しかできない。誰と誰の作風が似ているとか、影響を受けてそう、というのは感じることもあるが、だからと言って自分の読みたいという感情にはあまり影響しないような気がする。それにしてもこの平成時代の文学史では誰が代表として名前が残るのだろうか、たぶん知ることはできないような気がするが若干の興味がある。
2024/07/09
c
手放しで良書とは言い難いが、思い出の一冊。純文学のような学術的な「研究」ではなく、ミステリーでは観念的・情緒的な飛躍のある「批評」は昔から盛んである。読み物として後者の方が面白いのは当然だし、特に笠井潔にオルグされた90年代新本格界隈の批評は、実作に並ぶほどエキサイティングだった。刊行は1997年。新本格誕生からちょうど10年の年だが、前年の96年には、新本格的方法論の臨界点「絡新婦の理」「コズミック」が出ている。法月綸太郎が「後期クイーン的問題」を提示したのが95年。これらに関する直接的な言及はない。
2015/07/17
hata2
本格ミステリの範疇にいれるには対象を広げすぎているような気もする。取り扱われている人たちが新本格以降に登場してきた人たちなので、意図的なのかもしれないが。
2015/03/15
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