分身 (書物の王国)
分身 (書物の王国) / 感想・レビュー
藤月はな(灯れ松明の火)
今回は芥川龍之介の晩年作や乱歩の『双生児』という「分身」という王道は選ばずに鏡像、過去の自分、双子、別人格、影、自分に似ている人という捻りのあるチョイスがされています。「ウィリアム・ウィルソン」は江戸川乱歩による翻訳が、そしてパピー二作品をまた、読めるとは思わなかったので嬉しい誤算でした。「鏡の中」は信用できない語りなので事象も証明できない事が収まりの悪さを募らせる。「大晦日の夜の冒険」は影がない事で人から拒絶される。影は自分が実存している証なのかも。しかし、「あめんちあ」は訳が分からなかった・・・。
2022/02/17
ふゆきち
ドッペルゲンガーは言うに及ばず、双子、鏡、単なる似た人など、様々な分身に出会えます。『離魂病』、『倩娘』といった短くて説明が少ない話の方が印象に残りました。志怪小説の雰囲気が好きなだけかもしれませんけど。あと気になったは『詛いの星をいただく騎士』とか。
2021/10/06
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