美食 (書物の王国)
美食 (書物の王国) / 感想・レビュー
藤月はな(灯れ松明の火)
美食をテーマにした作品では如何に読者にその滋味と味わいの織り成すハーモニー、馥郁とした香り、舌や歯を愉しませては官能性さえも引き出す食感、思い出などの五感すらも魅了するだけでなく、食の愉しみや記憶すらも自身のものとして共有し、体験され得るかが鍵となる。「陶然亭」は酒呑みにとって溜まらないだろう。余りにも魅惑的な酒の肴やお酒の紹介に仕事のランチタイムに読んでいた私は強烈に「ああ、お酒が吞みたいなぁ!」と思いましたもの。「廚娘」は「儚い羊たちの祝宴」(米澤穂信氏)の元ネタですので興味のある人は是非。
2021/12/12
em
巻ごとのテーマに沿ったアンソロジー。以前順に読んでいた続きの14巻。ゴーゴリ「むかし気質の地主」―この老夫婦の愛らしさは反則級。ひっきりなしに食事を作る妻をからかいながら、出されるままに平らげていくお爺さん(健康状態が心配になりますが)。"愛すべき素朴なロシア"を体現した妖精のような二人に心を撃ち抜かれ、一気にロシア短篇のお気に入り上位に躍り出ました。今昔の「舞茸」、宇治拾遺「稚児の空寝」といった懐かしい古典も。
2017/11/19
ganesha
古代ローマに中世ヨーロッパ、中国に近代日本まで、古今世界の美食文学アンソロジー。移動中にのんびり読了。アラビアンナイトが良かった。美味しいシュークルート食べたい。
2023/05/09
らぴす
食欲の秋、だしね。 美食文学のアンソロジーだから、和食に中華、洋食とページを開きせすればなんでも揃ってる。 普段はなかなか手に取らない作家や作品が、こうして読めるのはアンソロジーならでは。
2015/11/12
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