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山尾悠子作品集成

山尾悠子作品集成

山尾悠子作品集成

作家
山尾悠子
出版社
国書刊行会
発売日
2000-06-01
ISBN
9784336042569
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山尾悠子作品集成 / 感想・レビュー

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兎乃

再読、「夢に棲む街」のみ。言葉に妥協せず 言葉で描く 目が眩むほどに 山尾悠子作品を時々読み返す って いいな と思うのです。

2014/06/06

藤月はな(灯れ松明の火)

詩的な文体から紡ぎだされるのは悪臭漂い、この上なく俗悪的で猥雑で残酷、しかし、それ故にある盛者必衰の理に必ず、ある刹那の儚き美しさと荘厳な世界観。滅びゆく時の流れを無視して存在する水晶の球に立ち込めているような空気にいつまでも浸っていたいような静かな狂喜を味わいました。そんな世界観がたっぷりと味わえるような集大成に出会えてもう満足です。この人の物語には麻薬よりも強い珈琲のような中毒性があると思います。

2011/05/19

びっぐすとん

職場の読み友さんから借りた本。物理的にも内容的にも重いので、少しずつ少しずつ読んできた。山尾さんの紡ぐ言葉の綾錦は私には分不相応で、余りのきらびやかさに目が眩む。読む人に依って色が玉虫のように変わり、本当の色は誰にもわからない。天女の羽衣のようにそれを纏えば異界へと誘われる。そんな不確かな世界に迷い込んだらもう繭のなかで夢を見続けるしかない。幻想文学の中でも私には難解な作家さんだが、わからないからこそ恋い焦がれる、そんな読後感。こういうの読むとしばらくは現実的な小説もフワフワしてくる。

2019/12/06

TKK

どこまでも高く跳躍した彼の地からローソクの灯りほどに頼りなく照らされる一点を目がけ、力強いステップのような言葉を放ってくるような、そんな印象を受けました。そのイメージの自在さは圧倒的です。「夢の棲む街」「遠近法」「耶路庭国異聞」「ゴーレム」が特に心に残ります。

2018/01/10

きりぱい

ふー、本の重さもだけど、山尾ワールドにも、ふー・・ほんと、降臨という感じだな。美しいと言ったらありきたりだけれど、組み合わされた言葉が生み出す異様な世界は、ストーリーよりイメージの世界で、普通に読んでいるのに妙に消化に時間がかかる気がする。それほど圧倒的で不気味で、月、水とほの暗く冷たく血迷ったモチーフがつきまとう。「夢の棲む街」は面白いけれど目がくらみ過ぎてちょっと手に余る。「月蝕」や「堕天使」「支那風小夜曲集」のわかりやすい息抜きさ加減が好きかも。とりわけいいのは「ムーンゲイト」。「破壊王」もいい。

2012/09/19

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