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塩沢地の霧 世界探偵小説全集 37

塩沢地の霧 世界探偵小説全集 37

塩沢地の霧 世界探偵小説全集 37

作家
ヘンリー・ウエイド
駒月雅子
出版社
国書刊行会
発売日
2003-02-01
ISBN
9784336044372
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塩沢地の霧 世界探偵小説全集 37 / 感想・レビュー

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bapaksejahtera

英国東部ノーフォーク州。潮の干満で塩沢地が広がる。WW2 の後の不景気な時代。寒村に種々の理由で都会地から住居を求めやって人々。主人公は最近になり売れなくなった画家とその美しい妻。塩宅地の先、海岸に出来た堤防状の砂地に。羽振りの良い女たらしの作家が住みだす。彼は主人公の妻に頻に色目を使い始め、経済的に焦りのでてきた夫との間に隙間を感じた妻は、或夜その誘いに乗りかかる。程なく塩沢地で画家の死体が見つかり、疑いが画家に及ぶが..。土地柄と排他的な住民、様々な移住者の性格と社会の描写が興味深い。読み易い佳作だ。

2024/04/11

nac

とにかく描写力がすごいです。人間の動かし方が本当にうまい。ミステリーとして成り立たせるための瑕瑾--恐らく避けられないもの--はありますが、それは特に大きな問題ではありません。人が生活する上でほんの少しずつ犯す、--ものによっては罪にもならないような--罪と、平穏に幸せに生きるために犯さざるを得なかった罪を描いた作品である、と言えるかと思います。

2014/10/15

madhatter

『推定相続人』が面白かったので。「推理」より「調査」がメインの作品であるかもしれない。事実、犯人の告白の手紙で明かされるトリックは、拍子抜けの気味がある。これを補うためか、○○○という叙述形態が、読み手に対して大きな罠を仕掛けるのだが、個人的には軸となる画家夫婦の心理描写に惹かれて、一気に読み切った。些細な所で相手の本心に届かない、それがすれ違いを生み、皮肉な結果に至る流れが、嫌らしい位に精緻に描写される。この二人に限らず、主要登場人物が、どこかで必ず純情な癖に、あるべきところに届かないのが面白い。

2012/02/24

schizophonic

前半部分をまるまる割いた人間関係の描写、詳細な捜査過程はじっくり読ませる。が、いざ犯人が判明して謎解きとなると、あっさりと幕を下ろすので、ちょっと取り残されたような感じに。

2011/03/27

kanamori

☆☆☆

2013/09/27

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