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ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション)

ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション)

ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション)

作家
スタニスワフ・レム
Stanislaw Lem
沼野充義
出版社
国書刊行会
発売日
2004-09-20
ISBN
9784336045010
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ソラリス (スタニスワフ・レム コレクション) / 感想・レビュー

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さと

残念ながら 今の私には作品の魅力、世界観、スケール…を感じ取ることができず挫折してしまった。(正確には読み切れなかった本に登録(*_*;)(中途半端な印象を述べる失礼をお許しいただくなら)ソラリスが創り出す"お客さん"は、それぞれの心の中に生き続ける執着、後悔、愛…あらゆる感情が具現化されたものなのではないかと感じた。終わった事として片づけていた感情は実は自分の心の海の中で生き続け、実はもはや自分の手に負えない存在となっているのではないか。

2018/07/23

NAO

ソラリスは、生きた海に覆われている。その海は、人間の記憶を読み取り、その人が一番大事に思っている人物の複製を作り上げる。だが、海がステーション内の人間一人一人に「お客さん」なる復元人間を作っても、その復元人間が海とのコミュニケーションの仲介をするわけではない。ケルヴィンがステーションに到着して以降ずっと重奏低音のように描写されている圧迫感と不気味さは、海と人間の交感が絶対的に不可能であることを意味しているのではないか。じわじわと不安と不快感が広がっていって、なかなか怖い話だった。

2016/04/04

Tadashi_N

存在ってなんだろう?生物ってなんだろう?ソラリスの海は、人の脳に作用するらしい。映画とはかなり違うらしい。

2017/12/14

かんやん

イグノラムス・イグノラビムス。膨大なソラリス研究の文献の引用、執拗に描かれれば描かれる程、イメージが遠去かるようなソラリスの海の変容、解釈を拒むというより無数の解釈を生み出す不可解性は、この作品の豊かさに通じている。SFかと思ったら、実はホラーであったというようなジャンル分けが意味を持たない。むしろそれが幽霊だったなら、安堵のため息を漏らしたであろうし、狂気ならば治療の可能性があっただろう。やたら人間臭いE.T.だとか捕食者のようなエイリアンを生み出す想像力とは、一線を画している。恐ろしくも哀切を極めた。

2021/11/10

syota

眼前に広がる圧倒的な存在感とはうらはらに、余りに人類と異なりすぎて理解も意思疎通も不可能な生命体。その圧迫感、不気味さが通奏低音のように全編に流れている。クリスとハリーの関係も“人間とアンドロイドの愛”といった単純な図式にはなっていない。理解不能な生命体との接触という哲学的ともいえる基本テーマに、ミステリーとロマンスの要素を絡めて緊張感を高めている。読み手に解釈をゆだねた部分が多いことも、作品にふくらみをもたらしている。SFでありながら、読み手におもねないシリアスな雰囲気が印象的だ。傑作。[G1000]

2015/10/10

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