ジーン・ウルフの記念日の本 (未来の文学)
ジーン・ウルフの記念日の本 (未来の文学) / 感想・レビュー
澤水月
ラファティ+バラード?!と思えたカー・シニスター、幻想的な従軍奇譚の休戦記念日に当てられた話、取り替え子、住処多し、ツリー会戦が好み。フォーレセンばかりは難儀、先に解説読んでもよかったかも。熊狩りの話はやはり素直に読んではあかんかったか…未熟不明を恥じる
2016/04/26
かわうそ
特に難解なわけでもなく意外とさらりと読めてしまうけれど、きっといろいろな仕掛けがちりばめられているに違いないと再確認し始めている時点ですでに著者の術中にはまっているような気もする。どれだけ深く読み込めているかはともかく、お気に入りは「取り換え子」「カー・シニスター」「フォーレセン」あたり。
2015/08/26
兎乃
やりたいこと を やるのと やりたいこと を やりやすいようにやること は 結果として同じ モノ が 出現してしまうことがあっても 観る側 読む側 は それを 直感で判ってしまう瞬間が アリ。多様な読み手に アナタノオスキナヨウニ と 自ら料理される鯉の如く 易いくせに ソウハサセナイ と 仕掛ける が 実は 空っぽだったり と 一筋縄でいかないジーン・ウルフの短編。
2015/06/01
おおた
過去3作の邦訳と「新しい太陽の書」で受ける印象よりも、ずっと直球SF。ディストピアな「樹上の家」や一発ネタ「カー・シニスター」。とはいえ、ジーン・ウルフらしい種も仕掛けもいっぱいで、解説で読める通り、登場人物のアルファベットに仕込まれたルールから、さらに飛躍した解釈も可能かもしれない。「鞭はいかにして復活したか」「養父」「取り替え子」「狩猟に関する記事」のような、史実をベースにしたうえで、解釈が人によって分かれそうに見える話の方が好み。
2015/05/17
すけきよ
ウルフの短篇というと、あの、バカでも超絶技巧が繰り広げられているのがわかるような気がしてしまうw「アメリカの七夜」がまず頭に思い浮かぶ。あれを期待(警戒)していると、意外と楽に読み進められる。ただ、深読みしようと思えばいくらでも出来るようで、言葉遊び、隠喩、ほのめかし、歴史的背景など、単語ひとつひとつを精査していく仕掛けが施されている。そんな深読み面倒くさいよ、という向きは、表面的に物語をなぞるだけでも不気味で、奇妙な世界を味わえる。だけど、逆に言うと、深読みしないと結構淡白な読書になってしまうかも。
2015/05/19
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