古代の遺物 (未来の文学)
古代の遺物 (未来の文学) / 感想・レビュー
marco
ジョン・クロウリーの作品をはじめてまともにまとめて読んだ。訳書ではあるが、その文章力、収められた12篇のそれぞれの短篇の創造力の豊かさに圧倒された。クロウリーはSFに文学的な試みを持ち込んだ作家、とのことだが、その挑戦は紛れもなく成功している。
2014/05/24
かわうそ
SF的な設定もありつつ全体的な印象としてはジャンル越境型の作品集。地味なんだけど展開は予想しがたく読みが浅いと置いていかれる奥深さがあった。「彼女が死者に贈るもの」「消えた」「シェイクスピアのヒロインたちの少女時代」がお気に入り。
2014/05/16
maja
発表年代順に収められたクロウリーの短編12篇集。さまざまな趣で、なかでも喪失感が流れ込んでくるような「雪」に胸を衝かれる。「彼女が死者に贈るもの」「異族婚」「一人の母がすわって歌う」等がお気に入り。「シェイクスピアのヒロインたちの少女時代」もよかった。
2022/03/24
小太郎
「エンジンサマー」で好きになったジョン・クロウリーの短編集。12編どれもがいかにもクロウリーらしい世界観に満ちた作品でした。
2019/03/04
pyoko45
上質だが硬質な短篇集。『リトル、ビッグ』もそうだったけれど、多くの話は底にある仕掛けというか前提が明示されず五里霧中のなかで進んでいく。しかも、読み解く手掛かりがさりげなく玄妙に提示されるものだから、うっかりしていると脈絡のわからないまま終わってしまったり、最後のほうで「あ、そういうこと?」となることすらあり、慌てて読み返すこともしばしば。それでも続けて読みたくなるのは、この形容し難い唯一無二の読後感とか余韻を得たいがためなのだろうと思う。また時間をかけてしっとりと読みたい。
2014/06/27
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