種村季弘傑作撰I: 世界知の迷宮
種村季弘傑作撰I: 世界知の迷宮 / 感想・レビュー
HANA
種村季弘の膨大な仕事の中から、代表的なものを選んで収めた一冊。内容も独逸怪奇映画からマニエリスム、吸血鬼に錬金術、悪魔から鶴屋南北、鏡花と非常に幅広い。これから種村季弘の世界に触れる人のために選んだとあるが、彼の世界のエッセンスを凝縮したような内容で既読の人も十分以上に楽しめる内容となっている。読みながら今まで漠然とだったマニエリスムの観念に形を与えられ、悪魔と異教の関係に舌を巻き、吸血鬼のエロティシズムに唸らされる。この人の筆にかかるともともと魅力的な題材が、さらに輝きを放つのが不思議である。
2013/07/07
燃えつきた棒
ドイツ文学者である著書の広汎な仕事の中から、愛弟子の諏訪哲史が厳選したタネムラ・ワールドの迷宮地図。 お気に入りの諏訪が師と仰ぐ人の文章を読んでみたかった。 正直言って、僕には難しくてピンと来ないものも多かった。 また、「吸血鬼のエロティシズム」のように、あまりにグロテスクでついて行けないものもあった。 だが、いくつかの文章が心をヒットした。 僕には、それで充分だった。
2021/09/10
ばんだねいっぺい
博学すぎて目が回る文章に夢中になる。
2016/03/30
eirianda
今ではエンターテインメントとして形骸化された、オカルトやホラー、ファンタジーのネタが、種村氏の手にかかると人間の深淵の奥深くにまで引き摺り込まれる。あまりにもためになるのでページの上をドッグイヤーしていたら、殆どのページを折りまくり相当分厚くなってしまった。近々Ⅱにも手を出したいが、きっと今後も本書は何度も読み返すことだろう。
2013/10/29
ハルト
読了:◎
2013/10/02
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