種村季弘傑作撰II: 自在郷への退行
種村季弘傑作撰II: 自在郷への退行 / 感想・レビュー
ばんだねいっぺい
モナリザ・吸血鬼・少女人形フランシーヌ・おこの殺し・阿部定。矢張、情報量に目が回る。
2016/04/11
eirianda
すでに読んでいるものもあったが、内容が濃いので新たに知識を得た感覚。伊藤若冲、偶然にNHKプレミアムで特集の再放送を見て、圧倒される。ヴォルプスヴェーデ(ドイツ)やアスコーナ(スイス)も機会があれば是非行ってみたい。谷崎とか、岡本綺堂もこの本を読んでいれば、二度得した気分になるはず。密な内容だけに、一冊を数日で読むとすぐ忘れちゃうのが難点か(私だけかと)。本当は手元に置いてなんども目を通すものかも。解説の諏訪哲史氏の種村季弘愛を、羨ましく思う。
2016/09/16
oDaDa
フランス方は澁澤龍彦が引っ張ってきて、ドイツ方面は種村季弘がカバーするという、二項対立ならぬ二項協力体制に、巖谷國士のシュルレアリスムが行ったり来たりするのだから、60、70年代の人文は如何に幸福極まりない時代であったか、と後年に知る他ない自分なんかは思う。でなければマニエリスムなんつー難渋で衒った概念など未だ出会っている筈はなく。
2022/03/31
Mark.jr
澁澤龍彦と共に日本の幻想文学を索引したドイツ文学者・種村季弘。その弟子である小説家の諏訪哲史さんがセレクトした評論・エッセイ集です。扱われている題材は吸血鬼やゴーレムといった著者の専門分野といえるオカルト的なものから、地球空洞説や泉鏡花など様々。博覧強記で知られているだけあって、1ページの情報量が凄いですが、決して難しいわけではありません。Ⅰ巻、Ⅱ巻とも内容のクオリティに差はないですが、個人的には歯痛と吸血鬼の関連性を考察し、モナリザ盗難事件などの奇譚を語ったⅡ巻が楽しめました。
2018/10/03
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