壊血病 医学の謎に挑んだ男たち
壊血病 医学の謎に挑んだ男たち / 感想・レビュー
壱萬参仟縁
2003年初出。今は、エボラ出血熱が問題化している。壊血病はビタミンC不足で起こる。歯茎から出血。皮膚に斑点。パンと塩漬け肉を主食とする船員に症状が出る。イメージとして、蟹工船がある。どうなのか? あのヴァスコ・ダ・ガマも罹患したという(10頁)。無気力、倦怠感、衰弱、古傷悪化、骨がはずれるなどの症状が出る(11頁)。1741年3月7日、 イギリス艦隊は嵐に遭遇、赤痢やチフスで弱っていた男たちに壊血病が牙をむきはじめた(63頁)。17C初頭にはレモンがこの病に効くとみなされたときがある(87頁)。
2014/10/20
KAZUKI
アスコルビン、ビタミンCによって病気に左右されること、そしてオレンジ、レモンが鍵を握っているとあり。 この書を見て治療解決に繋がると思うので更に壊血病についての関連情報も調べてみるきっかけに繋がる一冊となった。
2015/11/01
ようはん
フランシス・ドレーク辺りの時代で壊血病の原因が分からなくとも対処法にレモンやオレンジの果汁が良いと分かっていたのに諸々の事情で定着できずに忘れられ、その後もお偉いさんの諸事情とかで見送られたりと旧日本軍における脚気と大体ダブってる印象。あとこの当時の水夫の強制徴募は少し知っていたが、予想以上に無茶苦茶で死にそうな囚人や病人まで集めてまともに使えぬまま呆気なく死なせていたのはなんとも。
2019/06/12
勝浩1958
備忘録「ヨーロッパが戦争に沸き返っていた一八世紀末、イギリス海軍が組織をあげて壊血病の治療法を発見してその実施に踏み切ったことは世界史の流れを変えた。」「壊血病が消え、その結果、航海の長期化は、一九世紀を通じて繁栄したイギリスが支配する世界貿易および通信網構築の要となった」「一八一五年のナポレオンの敗北後、壊血病が再び世界史の決定要因になることはなかった。壊血病の世界の出来事への影響はナポレオン戦争中のフランスとイギリスの衝突が頂点だった。」
2021/12/10
Reee
17〜18世紀、イギリス船の航海中の死因の1位は敵船との決闘や海難事故ではなく壊血病だった。壊血病はビタミンC、つまりアスコルビン酸の欠乏による。ただ当時は原因が確定されず誤った治療が施され、多くの船乗りが命を落とした。レモンやオレンジの果汁が治療に効果があると、正しい主張したにも関わらず無下にされた船医もおり、麦芽汁という発酵に使用されるアスコルビン酸を全く含有しないモノが長年効果があるとされてきた。もっと早く壊血病の治療、予防法を確立できていれば、アメリカの独立を含め歴史は違っていたかもしれない。
2015/05/02
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