定本 夢野久作全集 第1巻
定本 夢野久作全集 第1巻 / 感想・レビュー
HANA
定本の名に恥じず「あやかしの鼓」以前に発表された諸篇をも収録されている。「黒白」に発表された諸篇や、探偵小説処女作「侏儒」は資料的価値が高い。特に「侏儒」は九大が舞台になっている点や血脈、遺伝など、著者の後年の諸作に含まれる要素がはっきり見て取れる。もちろん著者の代表的な短編も収録されており「死後の恋」「瓶詰地獄」等は、何度読んでもその完成度に唸らされるだけだし。今回改めて読んで気が付いたのだが、著者の女性って本当に魅力的。「瓶詰地獄」「死後の恋」のヒロインも「鉄槌」「支那米の袋」の悪女も輝いているなあ。
2017/08/02
ぐうぐう
国書刊行会から刊行がスタートした『定本 夢野久作全集』。定本の名は伊達ではない。ちくま文庫版の全集には収められていない多くの作品がここには収録されている。第一巻で言うと、作家デビューとされる「あやかしの鼓」以前に、雑誌「黒白」に発表された短編などがそれにあたる。久作独特の作風がまだ固まっていないゆえの初々しさが微笑ましいものの、その萌芽ははっきりと見てとれる。それは、デビューからたった二年後に傑作「瓶詰地獄」が書かれていることからもあきらかだ。(つづく)
2017/01/21
∃.狂茶党
純文学っぽい短編から、長編のためのメモや、プロットのようなもの、エンタメと割り切ってなのか、随分とラフなものまで。 きちんとした小説から急に粗っぽくなる。 枚数制限に合わせて刈り込んだら骨組みが剥き出しになったかのようだけど、どうなんだろう。
2024/02/25
鯖みそ。缶
やっと読めました! 短編集の様で好きそうな所だけ読んでみました。 ゐなか、の、じけんと瓶詰地獄が大好きです。 瓶詰地獄は何度も読んでいますがやはりいい作品です。 今回初見のゐなか、の、じけんもとても良かったです!
2024/06/21
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