新編・日本幻想文学集成 第3巻
新編・日本幻想文学集成 第3巻 / 感想・レビュー
ぐうぐう
『日本幻想文学集成』第三巻は「幻花の物語」として、谷崎潤一郎、久生十蘭、岡本かの子、円地文子を収録している。谷崎は、とても不思議な感触の作品ばかりだ。読者を翻弄し、散々振り回したあげく、最後には煙に巻く。それでいて、どこか周到さも伺えるのが不思議なのだ。歴史や史実から物語を(いや、イマジネーションを)膨らます久生十蘭も、どこかそんな印象を受ける。一転、岡本かの子の感触はまるで違うのだ。微笑に見惚れ、無防備に近付いてみると、いきなり短剣で胸を突かれる、そんな油断ならなさがある。(つづく)
2016/12/28
かわうそ
岡本かの子の作品の直後にかの子ディス満載の「かの子変相」が並ぶ構成に苦笑しつつ、奔放でありながら妖しいキャラクターや周囲との関係性など自らが幻想小説の主人公のような作家・岡本かの子に非常に興味を惹かれた。
2017/05/28
gerogeC
谷崎『夢の浮橋』、読んでいて思わず叫び出しそうになるほど素晴らしかった。繰り返し読んで行きたい。そこまでには及ばないけれど円地文子『猫の草子』も興奮するような話ではないのに、冷たいものが流れるような怖ろしさにそそのかされてかぶりつきで読んでしまう。
2022/01/26
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