新編・日本幻想文学集成 第4巻
新編・日本幻想文学集成 第4巻 / 感想・レビュー
ぐうぐう
『語りの狂宴』と題された『新編 日本幻想文学集成』第四巻。『饗宴』ではなく『狂宴』なのがミソだ。狂った宴にふさわしい作家達がラインナップされている。トップバッターは夢野久作。世界に対する疑いが久作の執筆動機となることが多いが、弱者たる存在から眺めた世界の狂いを、弱者の狂いと思ってしまえる構造を取っているのは、久作が読者に対して試しているからなのだろう。あえて、「瓶詰地獄」を外している堀切直人の選が渋い。狂宴という意味では、小栗虫太郎ほど、それにふさわしい作家はいない。(つづく)
2017/02/11
里馬
小栗虫太郎が中々厳しかった。泉鏡花はどうにもダメだった。夢野久作は好き。岡本綺堂は面白いし読みやすいけどホラーがあまり好きでないので他のを読みたい。2人が苦手で2ヶ月掛かってしまった。とは言え全集でなければ投げ出すので良い体験だった。8巻がもうすぐ出るので慌てて5巻へ。
2017/10/26
灰月弥彦
収録作家は夢野久作、小栗虫太郎、岡本綺堂、泉鏡花と今回も超豪華メンバー。語りの狂宴がサブタイトルになっている通り、何れも個性的な文体が楽しめる巻ですね(岡本綺堂は割とオーソドックスか。名文なのは確か)
2017/07/26
シロツメ
収録された作家の中では夢野久作の作品が一番好きだと思った。読みやすいし不思議で幻想的な短編に惹かれる。「死後の恋」は本当にそうだったのか、作中の事実ははっきりしないながもそう来たかと思わせられた。 小栗虫太郎は海外の人名や地名等、どこまで本当にあるものなのか自分では分からなかったため、架空の名称を採用した経緯の推測やトリックについての指摘が解説に入っていたのは良かった。
2017/12/12
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
ドグラマグラの印象が強かった夢野久作、思ったほどグロくなく文体も読みやすくはまった。久作の生い立ちが気になったので伝記を読んでみることにした。貧しそうな家庭でも女中の一人や二人いたりするなど、どの本もその時代を感じさせてくれるが、泉鏡花を読むには日本文化を知らな過ぎて、たぶん本質的には味わえていないと思う。たとえば解説記載の通り「『明石』」が明石縮といふ夏物の着物だと知らなければ、描かれた女の幻像は立ち上がってこない筈である。」とあるように。
2018/06/01
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