新編・日本幻想文学集成 第7巻
新編・日本幻想文学集成 第7巻 / 感想・レビュー
ぐうぐう
日本の小説家にとって幻想文学とは、基本的に「死」をめぐる物語になるのだろう。「死」という現象、行為、あるいは「死」への考察や想いですら、幻想を想起させる。それは、「死」が現実的な問題であることを逆説的に照らしてもいるのだ。編者である橋本治の解説によれば、川端康成は若くして「生」を捨てたことで、「死」の世界に属すことができ、だからこそ数々の幻想文学を書くことができた。と同時に、川端にとって「死」は現実そのものであり、晩年の彼の自害は、橋本によると「遂に出会えた最も懐かしいもの」となるが、(つづく)
2017/12/02
ハルト
読了:◎
2019/02/26
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