後藤明生コレクション2 前期II
後藤明生コレクション2 前期II / 感想・レビュー
かわうそ
そこに物語はなく、いつの間にか移り変わる話題に脈絡もなく、全体の設計図がカッチリひかれているようにも思い難い。にも関わらず、なぜ読めば読むほど面白くなってくるのか謎は深まるばかりです。引き続き要研究。
2018/09/30
フリウリ
「後藤明生コレクション」の小説編を4→3→1→2と読み、2に収載された「挟み撃ち」が、後藤にとって1つの転換点と(わかる編集に)なっていると感じた。「挟み撃ち」とは両側との関係がそれぞれ膠着して、にっちもさっちもいかなくなる状況である。後藤は、自分自身や身の周りで起こる出来事に「挟み撃ち」という関係性を発見し、苦しみつつ、愉しみつつ、小説化しているように思えた。個人的には、切迫感が後退する後期のほうが好みだが、前期もいい。通読できてよかった。8
2023/03/22
amanon
本書の半分強を占める長編『挟み撃ち』に驚愕。約二十年ぶりの再読だが、こんな多くの仕掛けに富んだ作品だったのか!と。一つは幾度となく引用されるゴーゴリの『外套』が未読だったこともあるが、要するに後藤の作品の読み方を心得ていなかったことが大きいかと思われる。そしてその後藤の作品の醍醐味を見事に解き明かしてみせた島田雅彦の解説が素晴らしい。本書を読んで何となし感じていたことを、鮮やかに言語化するその手さばきに思わず膝を打ちたくなることしきり。一巻目は正直あまりピンとこなかったが、続巻を読むのが楽しみになった。
2024/06/28
ナカユ〜、
この作家を知ったのは何故だろうと考える、多分名前の後藤明生を「あきお」かな?っと思ったら「せいめい」だったことに驚いたのが、最初だったような気がするw、ま、それはそれとして、第二巻は「?」が強くなって自己解決や結局解決できない話でも、時代と言えばそうなんだが、 引揚げ文学という括りは正直あまり知らないが、(精神的にね)朝鮮、北朝鮮から帰って着た人たちの平平凡凡とできなかった時代の今でいうPTSD談といったところなんだろうけど、
2020/03/29
wakabon
後藤明生、面白い!こんな小説を書く人だとは知らなかった。まさにリゾーム的?
2019/09/15
感想・レビューをもっと見る