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虚構の男 (ドーキー・アーカイヴ)

虚構の男 (ドーキー・アーカイヴ)

虚構の男 (ドーキー・アーカイヴ)

作家
L.P. デイヴィス
横山茂雄
若島正
矢口誠
出版社
国書刊行会
発売日
2016-05-25
ISBN
9784336060570
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虚構の男 (ドーキー・アーカイヴ) / 感想・レビュー

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HANA

冒頭は村の平和な一時、それが次第に不穏な雰囲気を帯び始める。それは段々と深まっていき、中盤で頂点に達した後……ああ、題名はこういう事であったのだな。いやこれは凄い、ジャンルを軽々と飛び越えていくという触れ込みであったが、飛び越えていくのはジャンルだけではなく登場人物の立場もオセロが裏返るかのように次から次へと変わっていく。その度に話は大きくなっていき、一頁たりとも目が離せない。大風呂敷を広げるだけ広げきって、それがきちんと回収されているのも流石と言ったところか。それにしても今年中に読めて良かった。

2016/10/16

ヨコツ

2016年の今年読むべき、ジャンルを跨いだサスペンス。一読者としては冒頭から「これはきっとこんな展開に違いない」と色々予想してやまないのだけれど、その予想は決して鮮やかではない手口で次々と裏切られる。アクションありホラーありミステリありでB級の匂いを放ちながらも力技で物語を収めてしまうあたりは見事。地味に張り巡らせた伏線も割とちゃんと回収してあって楽しい。最後にもう一度言う。読むのは2016年である今年がおすすめである、と。

2016/06/05

sssakura

面白かった〜。M!dor!さんの装画に惹かれて手に取ったら、大好きな脳にまつわる話でした。「人工生命のなかの人工人間」SF?サスペンス?いろんな要素が混じりあって、何度もひっくり返されて、まさかの結末。なにより愉快なのは、話の中での現実が、まさしく今、2016年と設定されていること。ドーキー・アーカイヴシリーズ、かなり期待できそうです!

2016/07/25

本木英朗

ドーキー・アーカイヴという叢書の劈頭を飾るに相応しい怪作にして快作。伝統的な英国の田園小説めいた雰囲気からどんどんのっぴきならない展開をたどり、最後に着地したところは、いやもうとにかく「読んで体験してくれ」としか言えんのです。若島正が解説でいう「早過ぎたジャンル混淆作家」というのが全てなんでしょうな。印象としてはブレイク・クラウチの『パインズ』に似てるんだけど、あっちが現代アメリカらしさ溢れるドラマっぽい展開であるのに対し、こちらは往時の英国らしいやや歪んだユーモアが楽しめる。好みとしては断然こっちです。

2016/06/12

かわうそ

冒頭から序盤にかけての「何が起こっているんだろう」というワクワク感は尋常ではなく、読者を驚かせるため予想外の展開を繰り返して若干腰が砕けそうになりながらも強引に最後まで押し切ってしまう。<ドーキー・アーカイヴ>の開幕を告げるにふさわしい怪作でした。

2016/06/04

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