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十四番線上のハレルヤ

十四番線上のハレルヤ

十四番線上のハレルヤ

作家
大濱普美子
出版社
国書刊行会
発売日
2018-06-28
ISBN
9784336062758
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十四番線上のハレルヤ / 感想・レビュー

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おおた

著者の来歴から多和田葉子らしさを探してしまったが、それほど言葉を弄ぶようなことはなく、倉橋由美子ほどの怨念もない。山尾悠子ほど幻想性は強くないけど、同じレーベルで出ているからどうしても比べてしまいがち。植物のように自らの意思とは関係なく人間として存在してしまった語り手たちは、赴くがままに呼吸を続け、赴くがままに行動する。ラストはSFぽいが、他はちょっとカテゴライズしにくい。地味で不穏な小説が読みたい向きにおすすめ。

2018/10/24

ruki5894

こういう物語が読みたい夜だったので。幻想小説短編6編。映画のように流れていく景色のように。ハレルヤ。 それにしても…この出版社は目が離せない。

2019/02/12

びっぐすとん

皆川博子さんがお薦めしていたので図書館になかったのでB.O.で購入。「たけこのぞう」より幻想的で、これは皆川先生好みだわ。皆川さん、山尾悠子さん系統の作品。ちょっと古い時代設定のお話があるかと思えば最新のバーチャル空間のお話もあって、日常とのズレはどの作品にも共通だが、飽きることなく堪能した。「ラズカリカズラの夢」「歩陀落葵の間」が特に幻想的で好み。寡作のようだがこれからも作品が出れば読んでいきたい。

2021/10/30

ハルバル

巻頭の「ラヅカリカヅラの夢」がなんとも掴み所のない話とやや苦手な文体で戸惑い「これは合わないかも…」と思ったが(海のそばの寂れた田舎町という雰囲気は良い)、次の「補陀落葵の間」の死者である大伯母含めた三世代を縫う語りに引き込まれてからの表題作で印象は傑作に。「鬼百合の立つところ」は思いを寄せていた男性との想い出はどこまでが現実と妄想なのか。死後の世界は現実との往還で少しずつねじれていく。「劣化ボタン」はVRの発達した未来が舞台だが、想像は腐食の果てまで延びていくのが不思議な読み心地だった。

2018/10/11

ヨコツ

キャラクターやエピソード、ないしは出来事を描くためにある小説ではなく、この「現実とは少し異なる世界の、その空気感」を描くために物語があり、登場人物があり、そして出来事があるという印象を受けた。どれも静かで劇的でなく、しかしどの作品にも同じ世界が根底としてあるような、読みやすいのだけれどその実極めて抽象度の高い幻想小説だった。皆川博子や澁澤龍彦ら日本の幻想小説好きな方はぜひ。

2018/07/31

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