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英国怪談珠玉集

英国怪談珠玉集

英国怪談珠玉集

作家
南條竹則
出版社
国書刊行会
発売日
2018-07-23
ISBN
9784336062802
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英国怪談珠玉集 / 感想・レビュー

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NAO

32編の短編集。『紅い別荘』は不気味な幽霊屋敷の話で、作者の実体験をもとにしているというから、イギリスの幽霊屋敷おそるべしだ。『ウルヴァーデン塔』『ブリケット窪地』は美しく若い乙女が犠牲とされる話で、そういった意味ではゴシックホラーになるのだろうか。ヒュー・ウォルポールの『小さな幽霊』はモームの『お菓子と麦酒』で自分のことを揶揄されたことへの応酬として書かれた作品だというが、優しい話だった。レ・ファニュ、キプリング、H・G・ウェルズ、レ・ファニュといった有名作家の作品も収録されており、読み応えがある。

2018/11/15

ペグ

図書館の返本日が迫ったため大好きなヒュー・ウォルポールのみ読了。(小さな幽霊)。ある作家が、ある小説で(野心ばかりで中身のない作家)とウォルポールを戯画化したそうですが〜とんでもないことです。まるで色褪せたレースのカーテンの隙間から差し込む陽の光のように美しい作品でした。

2018/11/10

星落秋風五丈原

凄く装丁がきれいです。目次にも凝ってます。作風もいろいろあって楽しめました。結構ずっしり量感ありますよ。

2018/08/15

内島菫

友人と雨の日の退屈しのぎに書き比べたというバイロン卿の「断章」が、怪談話にふさわしい未完のプロローグとして効いている。アーサー・マッケンの「N」の、「“暗黒時代”の錬金術師達の実験は・・・・実は金属の変容ではなく、全宇宙の変容に関するものであった」「東洋のこの魔法は、人間の最初の性質だった活動の、そして、その時彼に委ねられていた能力の、混乱した断片的な記憶にすぎない」という描写に出会うとき、怪談話には最初からすべてがあるということの言い換えだと思い当たる。

2019/01/16

ハルバル

猛暑のうだる頭に冷や水を被せようと分厚い英国正調怪談集に挑む。訳者がこれまで翻訳した中から選りすぐったものだが、なんと九割超が既読という自分の英国怪談好きに苦笑いを漏らしながらも読了。正直な話「怖いか」と問われれば国や宗教の違いからくる実感の薄さゆえか素直には怖がれないのだが、それでもマッケン「地より出でたる」の小人のおぞましさや、ウェイクフィールド「紅い館」のような直球の幽霊屋敷物には背筋がうすら寒くなった。また一篇の絵画のような様式美を感じさせる「ウルヴァーデン塔」、「罌粟の野の家」もよかった。

2019/07/31

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