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ロマン

ロマン

ロマン

作家
ウラジーミル・ソローキン
望月哲男
出版社
国書刊行会
発売日
2023-02-25
ISBN
9784336074614
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ロマン / 感想・レビュー

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ぽち

「文学の破壊者」というのは騙りではなかった。最終盤を読みながら脳裏を占拠していた思いは(ここまでやるか・・・)であって、全編を読み通して、翌日に解説を読んだ、その一昼夜、これはカマシではなくて本当にその間ずっとわたしの調子はおかしくなっていた、ならば小説や散文において「美文家」「名文家」といった賛辞はなんなのだろう、という思いにわたしは揺さぶられていた、解説に依れば曰く――これまでの自分の仕事は文学の葬送――すでに死んで久しいにも関わらずソ連国家の保護下で生き延びてきた文学の埋葬――であるという

2023/04/28

さとまる

ソローキンならではのぶっ壊れを楽しみに読み始めたのが、いつまで経ってもまともな小説。全775ページあるうち638ページまではドストエフスキーの小説で描かれそうな、19世紀ロシアの片田舎を舞台としたモスクワ帰りの領主の息子と地元の令嬢との恋愛譚が描かれる。結婚式のシーンあたりからなんとなく不穏な予感はあったが、639ページから最後まではこれぞソローキンというどんでん返し。小説の内容も文体も全てを破壊してしまう。まさに現代文学のモンスターだった。

2024/11/28

るるる

虚構として虚構を描いている感じ。前知識のせいか、前半のリアリズム文学のパートですらあまりにも「それらしい」描写に溢れすぎていて、いきいきと描かれているはずの人物たちもどこか人形のように感じた。それでもぐいぐい読んでしまうし、ときどき心が動いてしまう。スラヴ圏では珍しくない人名でもあるロマンは、ロシア語で小説を意味し、「小説」という概念のメタファーのようにも感じた。最終的には物語を破壊するための装置と化し、儀式のように解体、再構築?を繰り返し、、、

2024/04/29

warimachi

とち狂っとる。

2023/05/07

水蛇

セルフ(母国)パロディが完璧すぎて、前半のうららかで牧歌的で古風な描写がもはや笑ってはいけないロシア文学。このパートも例の終盤もしっかり冗長で催眠的なのもさすが。凄惨なのに退屈。こんなのソローキンしかできない。

2024/07/30

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