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ジキル博士とハイド氏 (世界の名作絵本 愛蔵版)

ジキル博士とハイド氏 (世界の名作絵本 愛蔵版)

ジキル博士とハイド氏 (世界の名作絵本 愛蔵版)

作家
ロバート・ルイス・スティーヴンソン
リュドヴィック ドバーム
Robert Louis Stevenson
Ludovic Debeurme
Luc Lefort
こだま しおり
出版社
小峰書店
発売日
2010-11-01
ISBN
9784338260015
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ジキル博士とハイド氏 (世界の名作絵本 愛蔵版) / 感想・レビュー

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キジネコ

絵本なので原作の何処を切り取るかで、物語の印象が違います。ジキル博士が己の内なる悪を切り離すべく実験を繰り返し、やがて表裏成す対の人格が入れ替わり、ついに悪意ハイド氏が覚醒し人格を乗っ取ってしまう… という話の大筋で違いはないのですが明暗や善悪、光と影という対比の関係ではなく人は本来性悪なのだという前提を静かに語り掛けてきます。善であることの呪縛からの解放を心理の深層に抱えるキジルに私達は自身を投影できるはずです。怪物ハイドを生み出したのは恐るべき実験の錯誤ではなく、薄い皮層を一枚剥いだ本性なのだ、と。

2020/12/24

野のこ

子どもの絵本コーナーに不気味な雰囲気を漂わせているこの絵本を発見。恥ずかしながら名作とは知らず新鮮な気持ちで読みました。短い章が連なる構成で恐いんだけど、どんどん奥へ奥へと引き込まれる。人間の肌の質感を感じるような生々しい挿し絵は物語にぴったりでホラー映画を観ているよう。怖いけど、謎が気になって一気読み。もう一度タイトルを見てなるほどでした。ただ最後の終わり方が気になりました。

2018/04/10

藤月はな(灯れ松明の火)

名作を、温かな色合いなのに舟越桂氏の彫刻に似た硬質でありながらも怖い絵で堪能。世間から糾弾される自分の悪い面に目を背けたいのは誰も同じ。だけど自分から悪い部分だけを完全に分離することは代償を支払うことになる。モグルで貼られている顔から下は皮を剥がれた男の画は「人間の本質は外面で隠される」、ホルマリン漬けされたシャム双生児は「共存するもう一人の自分」のメタファーではないか。そしてこの物語で本当に怖いのは、自分すらも信じられなくなる真実を知っても日常は続いていくということ。「己」は本当に信用できるものなのか

2016/02/05

小夜風

【図書館】若い頃に読んだのですが殆ど忘れていたので面白く読めました。絵本だと情景が判り易くて良いですね。人格が変わると風貌まで変わってしまうのが怖いです。最後はハイドが勝ったように書かれていますが、自害したことでジキル博士が勝ったのかな~?怖い絵が夢に出てきそう……。

2015/06/29

うーちゃん

図書館「こわい絵本」コーナーより。世界的な古典をわかりやすい再訳と迫力ある絵で楽しめる。各章のタイトルのところに描かれている、せめぎあうようにして苦悶の表情をみせるふたつの貌のイラストが印象的。「そして、ふと手を見ると、エドワード・ハイドの体になっていることに気づいたんだ!わたしの体は、わたしのなかの怪物の邪悪なねばり強さに負けたのだ!」

2017/06/28

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