メディチ家の紋章<下> (Sunnyside Books)
メディチ家の紋章<下> (Sunnyside Books) / 感想・レビュー
ケイ
結末までしっかりと楽しめた。フィレンツェからメディチ家が追い出されたチェーザレ・ボルジア時代から、フランスの関わりを経て、再びメディチ家が戻ってこようとするあたりまでの話。といっても、ある一人の少年の、彼が青年までの十数年ほどの間。イタリア統一には、チェーザレという人が火をつけたものの勢いが必要だったのだろうか。各都市は、機を見て、あっちについたり、こっちについたり。兄が亡き後もルクレツィアは優雅であり、やはり主役をはる一家だった。最後は本当に驚き。ヤングアダルトでも、読みごたえ十分。
2020/11/28
mocha
17歳の青年になったマッテオの、戦争と恋と出生の秘密。結末がうまく行き過ぎという声もあるけれど、私はハッピーエンドで気持よく読み終えることができ、良かったと思う。けっこう色っぽいシーンもあって、中学生はドキドキかも…。下巻ではダヴィンチの登場が少なくてちょっと残念。
2016/10/14
猿吉君
少年が悪党に追われて逃げつつもレオナルドダヴィンチと交流を深めていくという不思議な作品です。①なんといっても「マエストロ」と呼ばれているダヴィンチが魅力的、あらゆることに興味を持ち絵画と壁画はプロ、人体解剖もたくさんこなして探求欲を満たす、そしてものすごく優しい、こんな人が近くにいたらお世話したくなります。②主人公マッテオは一番最後になるまでごく普通の少年、追われているのは可哀想ですが何かこれっている特徴もなくうーんという感じ。点数75/100→YAなのでサクッと読めたのですが私はハマらなかったです。
2023/07/06
星落秋風五丈原
最もマッテオと関わりが深いのは天才レオナルド・ダ・ヴィンチで、自らも庶子であるダ・ヴィンチは、身寄りのないマッテオを常に気遣っており、彼の名作『モナ・リサ』の制作過程も作中に登場する。自分が言っている通りの孤児なのか、それとも何かの事故で記憶喪失になっているのか。金印を盗ませた者の目的は?あまりドロドロした大人の世界の権謀術策に踏み込まず、様々な謎を秘めた少年マッテオが、当代の有名人達と出会いながら恋や戦乱を通じて人生を選び取るYA冒険小説。
2016/04/08
detu
偽りの名前を名乗るマッテオ、語れぬ出自、降りかかる難題。懸命に正直に生きようとするも追っ手サンディーノの影は迫る。逃避行のなか運命の女性と出会う。マッテオも青年の男に成長。戦争、科学、芸術などルネサンス期のイタリアの勉強になった。ラスト明らかになる出自はストーリー全編を紡ぐ要だった。史実を基に愛と友情と勇気の物語でした。それにしても過去のカトリックローマ教皇とはとんでもない権威だ。
2021/05/26
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