ボロボロになった人へ
ボロボロになった人へ / 感想・レビュー
pino
涙で鼻がツーンと思いきや、山葵を鼻に突っ込まれボロボロになった顔を笑われるような、とんだツーンな話が満載だった。エロ・グロ混じりのボロボロになった人のボロボロ様が妙に生々しい。やだなぁ~と思いながらも、突飛な展開に引きずられ全部読んでしまった。何だ、この感じ。あ~。ちょっぴり、トラウマになってる「世界残酷物語」だ。錆びついた男も、ゴミ捨て場で拾われた女の話も、モアのテーマを被せれば美しく?隙なく生きていても何が起こるか分からない今。皆、ボロボロ予備郡なのかも。その時、リリーさんのツーンな話が沁みるのかも。
2013/10/07
キク
タイトルに心を掴まれる。リリーと同じ武蔵美卒のサイバラが「いつも間にか東京タワーというお涙頂戴の小説書いて、サブカルという肥溜めから1人だけ抜け出したリリーはズルい」と文句を言っていたけど、代表作が毎日母さんとなったサイバラも、人のことを言えない。「ボロボロになった人」のために作品を描いているんだと感じる。有名なマーロウのセリフで「男は強くなければ生きてはいけない。優しくなければ生きていく資格がない」というのがあるけど、強くて優しくてだらしなくてシャイなリリーやサイバラが好きです。そんな人達の物語でした。
2021/10/26
みゃーこ
心に突き刺さる言葉がいっぱい
2017/01/18
えっくん
★★★☆☆6編の短編集ですが、リリーさんにとっての初期の頃の作品だそうです。「東京タワー」のリリーさんの作風とは思えないほどエログロ感いっぱいのシュールな作品でした。あらゆる罪が死刑判決になってしまう世界を描いた「死刑」、スーパーからの帰り道に見知らぬ男から声を掛けられた女性の話「ねぎぼうず」、失踪した男性が向かった島での出来事の話「おさびし島」が印象的でした。リリーさんの多才ぶりはすごいのですが、この官能的な世界観は、やはり飄々とした演技をするリリーさんからは想像できず、意外性ばかりが残った作品でした。
2020/06/15
林 一歩
リリーさんの根底は邪悪な人だと思っていて、この短編集はその邪悪な面がクローズアップされた作品ばかりで何だか嬉しくなってしまった。
2015/12/27
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