聖者は海に還る
聖者は海に還る / 感想・レビュー
湖球
テーマは「心を救済できるのか、それに伴う危険副作用は?」前半は主人公でメンタルセラピストでもある比留間が、進学校で起こった拳銃射殺事件後のケアーのため学校に招聘され手腕を発揮、その中で養護教諭梶山律と出会う。後半は一転して封印されていた比留間の邪気が覚醒され幻想と現実のはざ間を揺れ動く。母体回帰への希求が変形され歪んだ感情としての物質が、無意識下の人格を形成する。主治医の名誉欲が封印されていた比留間の邪気を呼び起こさせたのが原因。恋人であり理解者梶山とその息子拓郎との中に幸を見いだし自己と闘う姿が胸を打つ
2017/02/02
爽
色々考えず読んでいたらいつの間にか読み終わっていた。定岡療法の闇と比留間先生の動向に気を取られて忘れていたが、結局最初の展開の理由はわからないまま。ハッピーエンドとはいかず切なさがしばらく残っていた。いつになってもいいから、みんな幸せに暮らせるときがくるといいな。/人の心は操作できるものでは決してなく、それをしようとしたが最後、ろくなことにはならない。
2018/08/04
まめねこ
共感出来る登場人物がおらず、納得出来ずに読み終えた。最初に起こる事件の影響、主人公の事件との関連性、カウンセラーとの関わり等が色々と絡めてあるのだが、そこまで詰め込みすぎなくても良いのでは?と言う印象を受けた。あと、主人公の勝手な性格がどうしても受け付けなかった。最後もなんだか、微妙な感じで、この作品とは相性が悪かったようです。
2016/09/26
きたさん
最近の作風しか知らず、もう少し論理的な話を書く作家だと思っていたので、ややトンデモ科学のような展開に少々戸惑いつつ読了。学校の描写もなんだか古めかしくて、ううん、という感じ。
2017/08/20
mikeko
猟奇的な行動をする11歳の少年だった比留間さん。担当心理士の別宮さんは性衝動による行動と判断したが、彼は母親の胎内から生まれ直すことで母親が望む自分になりたかったのではないだろうか。催眠暗示で狂気を凍結し心の奥底に封印され、成長した彼はスクールカウンセラーとして進学校に着任する。★「専門家がいなくても軽い心の傷であれば、少し落ち込む程度で治せるんのではないでしょうか。」と言う梶山先生。誰かの手を借りるのも良いけれど、悩んで答えを求める過程を経験するのも大事と思う。★4人の未来が幸せでありますように。
2017/01/04
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