神聖喜劇 第5巻
神聖喜劇 第5巻 / 感想・レビュー
きいち
信じられないほどのネームの量だけれど、もはやそれも快感でしかない。あと残り一巻なんだから、普通のスピードじゃもったいない、もう夜中にじっと腰据えて読む。生源寺、鉢田と好きなキャラも登場し、皆がそれぞれ、組織のなかで当然視されていることへの少しずつの闘いをすすめていく。それは、敵役だったはずの大前田の「一種の公明正大な精神の活動」をも生んでいく。マンガのなかでキャラを越えて伝染していくような、運動の感覚が味わえる。◇解説は階級、学歴、教養論の大物、高田理恵子。「私は厳原閥かも?」という疑いはさすがの着眼だ。
2014/10/26
さらば火野正平・寺
う〜ん…面白いとしか言えないなぁ。軍隊内でのちょっとした事件に絡む背景。差別問題や主人公の思い出、人間観察。大事件は今のところひとつも無いのに、些細な事が大問題なのは集団生活をしてきた者にはつくづくリアリティがある。こういう集団生活もの(例・花輪和一『刑務所の中』、吾妻ひでお『アル中病棟』、新撰組ものなんかもそうか)というのは大好きである。人間、集団になるとろくな事はない。
2014/04/25
FK
小説第四巻「第七部 第二 歴世」の50ページほどだけはマンガ化されてない。また「第七 早春」の最後の一部としてマンガ化されているが、実は小説では第五巻の始めに書かれている内容を含んでいた。編集上のことか。なお小説版の解説はネタバレをおそれ読まないできているが、マンガの「解題」の方は、そのおそれなしと思いこんで読んでしまっている。今回、第五巻にして私的には初めて「ネタバレ」に気付かされ、しまったと思った次第。うっかりしていた。
2018/05/23
小川一輝
解説を読んでいて気付いたこと。この作品を軍隊という論理と非論理がぶつかる場として読んでいたが、「被差別部落」という問題の浮上によって厳格な組織という「非日常」において浸食される「日常感覚」とそれでものうのうと軍隊に浸食してくる「日常的嫌悪感」=「差別」「派閥」に対する「論理」の勝ち無き勝負なのだ。「権力」と結びつくことでさらに嫌らしく襲ってくるものは現在においてより存在感を増している。
2017/06/14
絵具巻
文京区立根津図書館で借りました。
2016/12/13
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