神聖喜劇 第6巻
神聖喜劇 第6巻 / 感想・レビュー
きいち
とうとう完結してしまった、ほんとうにおもしろかった。◇のぞゑの筆致は決してクライマックスでスッキリさせない、「模擬死刑」に対する東堂・冬木、そして私の大好きな村崎の活躍も、使われるのは俯瞰や引いた絵面。そして目の前の小人物たちではなく、もう一方の正しさを体現する村上少尉が大ゴマで登場。きっとこのズレが大切。◇この物語でドラマのきっかけとなる事件はどれもつまらない些細なことだけど、そのおかげで今の僕らを取り巻く世界へと通じてくれる。日本に限った話じゃない、どこの軍隊でもどこの社会でも起こってることなのだと。
2014/11/24
さらば火野正平・寺
完結。馬鹿馬鹿しいと思うなよ、やってる本人大まじめ(byラビット関根)。この物語の軍隊は日本国の縮図ではあろうが、それ以上にあらゆる集団の普遍的な姿では無かろうか。我々の職場、学校、地元、常にこんな馬鹿馬鹿しい問題を大まじめに揉める。偏見や差別、いじめを伴いながら、東堂太郎不在で…。漫画化とは言え読みごたえがあった。今度は是非とも原作に再挑戦しよう。昨日本屋に原作があった。帯には「追悼・大西巨人」。忘れていたが近頃亡くなられていたのだ。このタイミングで図らずも出会えたこの漫画に感謝。
2014/04/25
モリータ
◆大西巨人『神聖喜劇』の漫画化作品。最後の一巻だけ読み残してしまっていたが、やっと読めた。
2016/08/08
Mabo
最終巻。大前田が東堂と対をなす裏主人公的存在である、ということは察せられた。しかしクライマックスに東堂が彼を見送る際に敬礼し、しかもそれが本心から出たものであるらしいというのは到底理解しがたい。確かに一見して悪である大前田にも意外と筋の通ったところがあるし、人間味もある。それは最終巻で改めて強調されたが、彼の人間的魅力には決してつながらない。少なくとも私にとってはそうだ。・・・とはいえこの漫画版『神聖喜劇』が名作であるということにかわりはない。いつか原作にも、という気にさせてくれる力作だった。
2013/02/10
nora
“一匹の犬”から“一個の人間”へ実践的な回生 ・・・そのような物事のため全力的な精進の物語り それを書くのは読者であって、この『神聖喜劇』はそのためのあまりにも長大で重大で重要なプロローグなのだ!
2009/05/14
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